エンベロープ: | 最初のオクシモロンシリーズと比べると、今回のカップ&ソーサーは質感もフォルムもだいぶ変わりましたね。 |
---|---|
イイホシ: | 愛子さんからつやのあるものがいいという希望があったのですが、ちょうど私もマットなものではなくそうした質感が気になっていた時だったんです。 薄手でエレガントだけど男の人も使えるものをというリクエストもありましたね。「男性が使っていても違和感がないもの」というのは、最初のシリーズの時にも言われたことでした。 |
磁器作家イイホシユミコさん(左)とオクシモロンの村上愛子さん。 |
|
村上: | オクシモロンシリーズは男性にも人気なんですよ。ご夫婦でいらして、旦那さんがいいねって後押しをして買っていかれたりして。 |
イイホシ: | これだけは主人からOKが出たんですって話は聞きますね。 |
エンベロープ: | こうした丸いかたちは、イイホシさんの作品の中では珍しいですね。 |
イイホシ: | そうですね。ストンとしたかたちと丸を提案したんです。 |
村上: | イイホシさんが丸いものを作ったら、面白いものができるんじゃないかなって思いました。 |
※グリーンの淵のシリーズは、販売終了しています 「薄すぎず細すぎず、太すぎず」という要望から行き着いた持ち手。
大きなカップをしっかりと支えながら、主張しすぎていません。 |
イイホシ: | 前回もそうだったのですが「紅茶をポットでサーブしないので、たっぷりめのが欲しいです」と言われたので、大きめに作りました。 |
---|---|
村上: | ポットでサービスするのだったら、もっと小さくてもよかったんですけどね。何でもそうなんですけど、しょぼいのはダメなんです私。盛り付けの時もスタッフがきれいにこじんまりまとめていると、もっと大胆に!と言います(笑)。 |
イイホシ: | そこは私も共感して。もっと食べたいのにちょっとしかなかったっていうのは悲しいですよね。 |
村上: | たっぷり飲みたいですよー。出てきた時にあっ!て思わせたい。 |
エンベロープ: | だからオクシモロンはあのボリュームなんですね。デザートだってカレーの後なのに、あれだけ盛られていて毎回満足してます。 |
村上: | ポットサービスがない紅茶って、紅茶を頼んだ人が寂しい思いをすることが多いと思うんです。カップが小さいとね。だからそういうことはしたくないっていうのが最初の時からあったんです。 |
エンベロープ: | それでも…何だか前より大きくなってませんか? |
村上: | 実はそうなんです。コーヒーカップも前より大きくなりました。 |
イイホシ: | もう少し小さいものも作ったのですが、愛子さんがいいです、これで出しますって。 |
村上: | だから提供する量を少し増やしたんですよ(笑)。このサイズでよかったと思います。スープを飲んだりとか、ヨーグルトシリアル食べたりとかカップ以外の使い方も楽しめますし。 |
エンベロープ: | 薄いのに温かみがあるこの感じは独特ですね。白は一般的な白とはまた一味違った、奥深い白色です。 |
---|---|
イイホシ: | 今回使ったのは、昔よく使われていた土なんです。なので、どこか懐かしい雰囲気ですよね。 |
村上: | 最初見た時、アンティークかと思いました。 |
エンベロープ: | 製作はどこですか。 |
イイホシ: | 瀬戸です。今はほとんど使われていない土なので、テストで時間がかかってしまって…。 |
エンベロープ: | それだけ手間がかかっても、この土がよかったのですね。 |
イイホシ: | 愛子さんが思いのほかそこは曲げられないって頑固だったので。この雰囲気は釉薬で出すこともできるので、それはどうですかって提案したのですが… |
村上: | え〜こっちがいいって(笑) |
イイホシ: | 私はこっち(職人さん)の話もわかるし、ここで曲げなかったらすごく時間がかかるなっていうのはあったんですけど、まあ確かにそうだよなって。あそこで愛子さんが曲げなかったおかげで完成しました。 |
エンベロープ: | 前のシリーズと雰囲気は違うのに、並べてみると合いますね。 |
※グリーンの淵のシリーズは、販売終了しています |
|
イイホシ: | マットとつやって両極なんですけど、それを合わせると新鮮なんですよ。 |
村上: | よくある白だと合わないけど、真っ白じゃないから合うのだと思います。 |
エンベロープ: | 土の違いで変わるものですね。 |
村上: | ソーサーは普通にプレートとして使えるように、くぼみがないんです。でも全然動かないですよ、安定してます。 |
---|---|
イイホシ: | (底が)真っ平らじゃないですからね。 |
エンベロープ: | そしてソーサーの裏にも注目ですね。 |
イイホシ: | ここもすごく時間がかかりましたよね。愛子さんから私の手描きがいいって言われたのですが、全て手書きだと手作り感が出すぎると思い、JAPANの文字だけ私が書きました。 |
村上: | このかすれた感じ、気に入ってます。 |
イイホシ: | シルクスクリーンではなく、ハンコにしているんですよ。だから出たりでなかったり。 |
エンベロープ: | 箱にも1個1個ハンコを押してるとか。 |
イイホシ: | 箱が波打っているからのらないらしくて、(倉庫から)押すのが大変なんですって電話がかかってきて。どうしますかって言われたけど、そのままでお願いしますって。 |
村上: | オクシモロンはほんとに手がかかる子なんです(笑) |
イイホシ: | 愛子さんには、こうしたいっていうイメージがしっかりあるのでわかりやすいですよ。一緒に作っているっていう感じがします。 |
村上: | いつも汲んでくださって、ありがとうございます。 |
yumiko iihoshi porcelain tableware for "OXYMORON"
繊細な印象でありながら、食洗機・(常温でしたら)電子
レンジどちらも大丈夫。お客様の時だけでなく日々の食卓でも活躍してくれます。