先月のアトリエだよりでフラックスの浸水の様子をお伝えしましたが、
現在はその工程を終え畑でロール状にまとめた後、工場へと回収されました。
3月中旬の種蒔きから始まったリネン作り、ようやくここで農家さんのお仕事が終わります。
フラックスが畑から姿を消すとそろそろ夏も終盤。
北国の夏は短く、その分皆が待ちに待った季節なのですが、
フラックス畑の美しい風景と共に今年も楽しい思い出ができました。

アトリエでは、そんな夏の記憶を刺繍にしているところです。
蜂蜜みたいな優しい黄色のブラウスの裾に、ツバメを刺しています。
近所に巣があったようで、夏の間窓の外を親鳥たちが忙しそうに飛び交っていました。
最近見ないので、ヒナが巣立ったのでしょうね。

▲空を飛び回るツバメを表現しようと思います


夏休みはとりませんでしたが、夫の休日に合わせて田舎道をよくドライブしました。
目的地はどこも近場ばかりですが、静かなところをゆっくり歩いているだけでも
気分が良いものです。お天気が良いってなんて健やかなんだろう!
秋が来るとしばらく雨ばかりの日々になるので、この時期のお日様は貴重です。

▲林檎の木の下に牛、道中目にしたノルマンディらしい景色


バカンスと言えば数年前に義理の家族と旅行をした際、
その日の予定や食事のことなど1人忙しく動き回っていると
「バカンスはちゃんと休みなさい。」と注意されたことがありました。
せっかく来たのだし、あれもこれもと家族の為に考えた上での行動でしたが、
確かにあのときの私は家から場所を移しただけでバカンスじゃなかったなぁ・・・
フランス人はお休みの過ごし方が本当に上手です。
どこで何をするにでも、まるでそこが前から知っていた場所みたいに、
気負いなく気ままにしています。彼らのそういう性分が羨ましいです。

▲今は結婚式場などに使用されている旧修道院。ここもツバメがたくさん飛んでいました

▲ 庭園のベンチ。緑を見ながら長いことぼーっとしていました

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ENYO ソリアノ綾佳