つくって着る、夏の楽しみ

ミセス8月号に掲載中のリネンバードのパターンを使って、夏の服作りに挑戦してみました。
今回のつくる人は、この型紙シリーズを製作した沼澤亜希さん。
着る人は、ひろみさん、あやさん、ともみさんの身長162pの3人組。
三者三様、自由にコーディネイトして、着心地をレポートしてくれました。
「私にも似合いそう!」「私にも作れるかな?」の参考にしてみてください。

STYLE1:後ろリボンのワンピース

型紙製作者のわたしがつくってみました

縫う工程が少なく、ギャザーを寄せる必要もないため比較的簡単に作れるワンピースです。綾織りの生地はどちらの色も扱いやすく、後ろリボンはグログランテープをセットしていますので、リボンを作る手間もいりません。衿ぐりや左右袖ぐりを始末するたびにアイロンを掛けるのが面倒に感じるかもしれませんが、これをするとしないとでは仕上がりが全然違ってきます。着たときの幸せ感を励みに省略せずに頑張ってみてください。

みんな162cmのわたしたちが着てみました

  • ひろみさん

    海、山が好きでワンピースはリゾート用しか持っていない私。こういうワンピースははじめてだったので、一枚すとんと着ただけなのに、こんなにきちんとした感じになるんだと驚きました。腕は出ていますが、脇や胸のあきが少ないせいで、品よく見えるのでしょうか。生地がしっかりしているので、ペチコートなしで済むのもポイントが高いですね。

  • あやさん

    背中のリボンがかわいすぎるかなと思いましたが、着てみたらシルエットがきれいで大人っぽい。少し光沢のある生地感も、上級者っぽくてすてきでした。そのまま着ると甘くなりすぎてしまうと思い、スパッツとぺったんこサンダルで、カジュアル寄りにまとめてみました。ワンピースが大好きなので、この夏多用してしまうと思います。

  • ともみさん

    思ったよりフォーマルに着れてびっくりしました。アームや衿のあきが広くないから、サンドレスっぽくならないのがうれしいです。膝下の長めの丈も安心感があって、ヒールとも好相性。普段なら、ローカットのスニーカーやフラットなシューズと合わせてカジュアルに着たいです。シンプルなデザインだから、小物で雰囲気を変えて楽しめそうです。

STYLE2:片合わせのブラウス

型紙製作者のわたしがつくってみました

これは本当に簡単。衿ぐりの縫い代に接着芯を貼るので面倒な見返し始末が不要です。三つ折りにして縫っておくだけでも、伸びません。袖をつけるのが苦手という方が多いようですが、型紙に記されている合印を合わせてまち針をきちんと打っていってみてください。面倒かもしれませんが、まち針を多目に打つときれいにな仕上がりになります。今まで直線縫いのものしか作ったことがない方が、次のステップとして取り組むのにおすすめの一枚です。

みんな162cmのわたしたちが着てみました

  • ひろみさん

    シンプルなデザインなのですが、正面から見たときの肩の合わせがかわいくて気に入りました。ピンクの服はあまり持っていないのですが、チノパンやカーゴなど、いつも着ているボトムスどれとでも相性が良さそう。さらにアクセサリーを合わせたら、きれいめなお出かけ服にもなるので、この色は意外と万能! 着こなしが広がりそうです。

  • あやさん

    マルチっぽいストライプ柄は、生地で見たときは派手にうつりましたが、コーディネイトしてみたら案外ベーシック。思ったよりも上品な雰囲気になりました。丈がほどよく長めなので、今回のようなパンツはもちろん、七分丈やショートパンツを合わせてもいいバランス。ブラウス自体涼しいのでショールを合わせたり、着回しが効きそうです。

  • ともみさん

    とても涼しい! 生地が薄いから五分袖でも暑さを感じませんでした。普段ピンクは選ばないのですが、着ていると元気になります。衿も広めで動きやすいので、レジャーの時に着たいですね。鮮やかなピンクがデニムとこんなに相性がよかったなんて。スニーカーとカゴバッグをプラスしたら、軽やかなカジュアルコーディネートになりました。

STYLE3:エンジェルスリーブのワンピース

型紙製作者のわたしがつくってみました

エンジェルという名前の通り、天使をイメージし、軽やかさを大切にデザインしたワンピースです。衿ぐりに均等にギャザーを寄せることや、パイピング始末をすること、細い三つ折り処理があるなど少し手間がかかります。またキットの生地が薄く、縫う時に動くので扱うのに少しコツがいります。でもその分、できあがった時の達成感は格別。アイロン掛けやしつけ縫いなど、基本的なことをさぼらないことが成功のポイントです。

みんな162cmのわたしたちが着てみました

  • ひろみさん

    あまりの涼しさに感激しました。上から下まですーっと空気が抜けてとても爽やかです。ウエストのブラウジングをしっかり絞っても、体に密着する夏特有のうっとうしさがありません。見た目もネイビーの色味が涼しげ。裾からペチパンツの白をのぞかせて、少女っぽく着てみましたが、デニムと合わせたらまたちがう雰囲気で楽しめそうです。

  • あやさん

    いつもは買わないふんわりタイプに挑戦してみました。他の方々を見てもそれぞれみなさんよく似合っていて、形のかわいらしさの割に、コーディネイトの幅のある服だなと思いました。全体にギャザーが多いのですが、生地が薄いせいか体になじみます。ほんのりグリーンがかったミントアイスの色も、いわゆる甘辛バランスがちょうどいいのかも。

  • ともみさん

    ひらひらとした袖だけど、生地が軽くくったりとしてるのでボリュームが出すぎず、二の腕など気になる部分を自然にカバーしてくれます。大人でも着られる“ひらひら”ですね。生地に張りがあるとボテッと大きく見えてしまうブラウジングも、この生地だからすっきり。軽いしちくちくしない、いい肌触りです。海辺のリゾートに着ていきたいです。

ほかのスタイルもいろいろつくってみました

  • レース生地を利用した、今年らしいスカート。ウエストのゴムテープを伸ばしながら縫う時に少しコツがいりますが、直線縫いのみでできるので初心者の方におすすめです。生地が透けるため、裾の三つ折りは柄がきちんと揃うように処理すると美しい仕上がりになりますよ。

  • パンツは難しいイメージがあるようですが、これはファスナー付けが不要なので、構えずトライしてみてください。ポケットも、一つ一つの工程をきちんと追っていけば意外と簡単です。ウエストがゴムタイプでもポケットがあることで「きちんと感」が出るので挑戦してみてください。

  • ショール用の薄地で洋服を作りたいと思ってデザインしたキャミソール。洗濯した時にほつれないよう、袋縫いを取り入れています。直線縫いのみでできるため、作り方はそれほど難しくないのですが、目の粗い生地を扱うのが難しく感じるかも。慣れていない方は、まず目の詰まった生地で作ってみても。

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