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16.02.10

みやげやこほろで見つけた気になるグラス アンドーギャラリー 安東孝一さんに聞きました 

2015年の秋鎌倉にオープンした「みやげやこほろ」は、コホロが提案する土産物のお店です。店内にはスタッフが各地で見つけてきたおいしいものやデザイナーによるプロダクトなど、これまでの店とはまた違った視点で選んだものが並んでいます。その中で気になるグラスを見つけました。

みやげやこほろの店先で

安定感のあるぷっくりしたグラスと、かっこいいすらっとしたグラス。
二つのグラスは食器棚で仲良く整列していました。

モダンな印象だけど、人の手でつくられた温もりも感じられるグラスは
「ANDO’S  GLASS」といって、イギリスのデザイナー、ジャスパー・モリソンが
デザインしたものだそうです。

「口当たりがよくて、お水が美味しく感じるんですよ」
とコホロのスタッフが教えてくれました。

ひとつひとつ職人がつくっているけれど買いやすい価格であること、
飲み物だけでなくデザートなど多用途に使えること、
贈り物にぴったりなきれいな箱も用意されていること、
そんなことからみやげものをテーマにした鎌倉店によさそう!と選んだそうです。

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みやげものの店だから箱選びも重要。ANDO’S GLASSは葛西薫さんデザインのボックスに入れてお渡しします。

 

■「1個の美しいグラスをつくりたかった」

そもそもANDO’S GLASSをつくろうと言い出したのは、
グラスの名前にもなっている安東孝一さん。
本業は現代美術を扱うギャラリーのオーナーです。

ユニークな二つのグラスがどうやって誕生したのか、
清澄白河にあるギャラリーでお話を聞きました。

 

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8年前に清澄白河に開廊したアンドーギャラリー。当時は何もなく静かな場所でしたが、今やコーヒーとアートの街として注目を集め海外からも観光客が訪れるそうです。

 

建築やデザインのプロデューサーとしての顔も持つ安東さんは、
これまで二つのプロダクトを手がけました。
このANDO’S GLASSと、アートディレクターの葛西薫さんとつくったカレンダーです。
自分たちが欲しいと思うものをとつくられたカレンダーは、
奇をてらったところがないけれど美しく、インテリアとして飾りたくなります。

そのカレンダーの誕生から1年後、
安東さんはもう一つ日用品がつくりたくなりました。
そして家を見回した時に目にとまったのが、水を飲むグラスだったのです。

「僕がデザイナーのジャスパーにリクエストしたのは、
カレンダーと同じくシンプルで普段使いできる美しいグラス。
あなたのかたちが見たいんじゃなくて、フィロソフィーが見たいって伝えたんです。」

その後アンドーギャラリーに届いたドローイングがこちら。
いろいろ描いたけど、僕はこのシェイプがベストだと思うという
メッセージとともに送られてきました。

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東京下町の職人が一つ一つ型に吹き込んでつくられます。

 

そこから、グラスが誕生するまでは驚くほどスピーディでした。
デザインも型も、それを吹く職人もそれぞれの仕事を完璧にこなし、
1ヶ月半ほどで安東さんが思い描いた
〝自分のための1個のグラス〟が完成したのです。

グラスの薄さは1.2ミリ。あまり薄すぎると扱うのに緊張するし、
厚すぎると機械生産と変わらず手吹きのよさがなくなってしまう。
ほどよいところを探って行き着いたのが1.2ミリという厚みでした。

 

■SMLではない、ファミリーという考え

 

第1号のグラスは直径80×高さ78mm、第2号は直径68×高さ106mm。
直径も高さも異なる珍しい組み合わせです。
これにはわけがあります。

「最初デザインは1つでいいから、サイズ違いが欲しいとお願いしていたんです。
でも図面は1つしかないのでジャスパーに確認したら、
〝SMLはいやだ、ファミリーならいい〟って言い張るんですよ。
SMLって大量生産の考え方なんだよね。
彼は、グラスそれぞれにアイデンティティを与えたかったんじゃないかな。」

二つは一見似ていないようでいて、実は容量は同じ350ml。
仲良く並んでいる様子は、やっぱりファミリー。
「ふっくらしたお兄ちゃんとのっぽな弟」
いつのまにかギャラリーのスタッフにそう呼ばれるようになりました。

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ANDO’S GLASSは2014年にグッドデザイン金賞を受賞、16年にはドイツデザイン賞金賞を受賞、国内外で評価されています。ぜひ、みやげやこほろで手にとってみてください。

 

業務用ではなく、自分のための1個にこだわってつくられた日常使いのグラス。
ANDO’S GLASSは家族それぞれのグラスで好きなものを飲む、
みんなで囲む食卓によくなじみます。

カテゴリ:コホロ

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