糸の店 MOORIT オープン

9月22日(土)、リネンバードが二子玉川店の斜め向かいに糸の店「MOORIT」(ムーリット)をオープンします。

これまでリネンバードではカナダの「Louet」の糸や、オリジナルのリネン糸などをショップのワンコーナーで扱ってきましたが、いつか糸だけの店ができたらと思っていました。

カフェリゼッタ隣の小さなスペースに開店のMOORIT

MOORITで扱うのは、大量生産はできないけれど丁寧に作られた糸、天然素材で編んでいて気持ちのいい糸、編んだものを使うことで幸せな気持ちになれるような、そんな糸です。

上質な肌触りや心地良さ、きちんと作られているものであることを大切にした糸選びは、リネンバードが生地を選ぶ時にしてきたことに通じるものがあります。

そうした糸を作っているのは自ずと小さい規模のメーカーであったり、個人で活動している紡ぎ手になってきます。そのため、分けられるほど生産できないからと断られることもありますし、OKをもらっても納品までにとても時間がかかることも多いのも事実。

もしかしたら訪れる度に棚の様子が変わっているかもしれませんが、そうした糸との一期一会を楽しんでいただけたらと思います。

Louetで編んだカーディガン。いい糸かどうかは、何といってもものになった時にわかります。
店名のMOORITとは、漂白や染色をしていない茶色の羊毛の色の名前、ムーリットと読みます。

MOORITの店頭に並ぶ商品を一部ご紹介しましょう。アメリカやイギリスで買い付けてきたばかりの糸も。

200年以上の歴史を持つロンドンの「APPLETONE」の刺繍糸。染めもイングランド内で行われています。ウール100%なので、ふわふわとした刺し心地です。どの色もきれいで少量なので、配色糸として使うのもおすすめです。
スウェーデンのUllcentrum社のウール。創立者であるAnnさんは多くの羊毛が廃棄されていることを知り、何か出来ないか考えるようになりました。同社の製品は環境に配慮しながらオーガニックな素材を使用し、最小限の資源で小規模生産しています。
スウェーデンオステルヨートランドのウールは、質の良い原毛のみを使って、熟練の職人が経験と勘を活かしつつ旧式の機械で紡いでいます。繊維の脂が残っているため、手触りが滑らかで、チクチクしない優しい肌さわりです。
羊やアルパカ、アンゴラ、ラマを育て、その毛を地元の植物で染めて紡ぐところまでこなすカリフォルニア・ナパヴァレーのメアリーさんの糸。パッケージに描かれている羊のイラストもゆるい雰囲気で温かみがあります。

糸だけでなく、編むための道具も大事。かせの糸を玉巻きにする時に使うアンブレラスイフトや上達を助けてくれる編み針、付け替え式の輪針セットのケースはオリジナルを開発中です。

また定期的にレッスンやワークショップも予定しています。初心者の方から上級者の方まで、レベルに合わせた内容を企画していますのでウェブサイトでスケジュールをチェックしてください。

ただいま制作中のリネン素材の輪針セット用のケース

限られた人の趣味のイメージがある「編み物」ですが、MOORITはその間口を広げるためのきっかけづくりができたらと思っています。と同時に、上級者に満足してもらえるよう手に入りにくかった海外の糸やパターンを揃えていく予定です。

お店で糸を手に取り、その手触りや色に着想を得て、何かを作ってみようかと思ってもらえたら。そんな創作意欲がわくような場にしていければと考えています。編んだことがある人にとっても、ない人にとっても。

スタッフでショップの壁や窓枠をペンキ塗り。
自分の手を使ってやってみる楽しさは、編み物に似ているかも