まだまだ寒さがつづく今年のはじめ、リベコ・ラガエの工場があるベルギーのメルベケに行ってきました。
霧が多いフランダース地方の冬。工場を訪れたこの日もやはり、街はもやがかかり幻想的な雰囲気。 たちこめる霧のむこうに、平たいホワイトグレーの工場がたたずんでいました。 (写真)工場の近くには、鹿や馬が。私たちを迎えてくれました |
約200人が働くリベコの工場。3交代制で、24時間フル稼動しているそうです。 まず案内してもらったのが、整経作業をする部屋。 イタリアなどで紡がれた糸を織物にするために、必要な長さの縦糸を必要な本数分準備していきます。 |
(写真左から)生地の幅に合わせ、整経用の機械に縦糸を並べます(中)生地幅が狭いサンプル反は、人の手で縦糸をセット(右)ストライプのものなどは、先染めの糸を順番に |
整経された縦糸は、織り機がずらりと並ぶ部屋で製織。ちょうどローマやサルディニアなどを織っている様子を見ることができました。 糸切れなどがあった場合は、機械がストップ。トラブルを知らせるランプが点 灯すると、すぐさまスタッフが駆けつけて不具合があった箇所を発見、修正し ます。その手際の良さといったら!優秀な機械も、人の経験や勘にはかなわな い気がします。 |
(写真左から)大きな部屋に約70台の織り機が設置。織りの最中にでる毛羽や埃を吹き飛ばすブロワーが、行ったり来たり忙しく動いていました。(中)サルディニアの生地。もうすぐエンベロープに登場します(右)整経した糸を織っていきます。糸の太さ、織りの甘さによって織る速度は違います |
織り上がった生地は、人の手によって繕います。 これはフラックスならではの手間だそうです。 握りバサミでネップをカットしたり、霧吹きをかけて汚れを取ったり、織りの際に混ざってしまった繊維を針でとったり…。 数人のスタッフが裏からライトをあてた生地を上から下に流しながら、問題がないか真剣に調べていました。 (写真上)細かい補整の作業は、人の手が頼り (写真下)シェービングをする機械。とった毛羽は袋にたまるように。 |
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その後、生地のしわをのばして、鋭い刃で表面の毛羽をシェービングし、近くのフィニッシャーへ。 染色などの最終加工を施します。戻ってきたものを再び補正して、あとは出荷の時を待つばかりです。 |
(写真左)取り出しやすいよう並べられたストック。ここから、出荷されていきます。(写真右)新商品の縫製をしているところが見られました |
ベルギーで栽培したフラックスをその土地で布にする。 ヨーロッパにおいてリネン産業全般を集積する地域が減少する中、これは貴重なこと。 リベコ・ラガエのように、その地方ならではの顔をもった商品づくりをする姿勢を応援していきたいと思いました。 |
(写真左)玄関には1878年製の織り機やフラックスの束、1950年ごろのフランダースの畑の写真パネルなどが展示 (写真右)長いテーブルに、テーブルクロスがぴしっとかけられた食堂(食事づくりのおばさんが来る日ではなかったので、残念ながらランチをとることはできませんでした) |