ものづくりを訪ねて

リネンパルファムが生まれるまで



「アンティアンティ」さんとの出会い


「うちで作っている香水専用の袋をここのリネンで作ってもらえませんか?」
ある日、二子玉川のお店にいらしたお客様から、突然声をかけられました。
これが、「アンティアンティ」の宮崎真さんとの最初の出会いでした。
「香水というと、ゴージャスな感じをイメージされるけれど、ナチュラルなものだけで作った香水だからこそ、リネンのざっくりとした風合いを使いたい」と、依頼されたのです。
「アンティアンティ」は、オーガニックなど材料にこだわったナチュラルな化粧品や香水作りで定評のある会社です。そこで手塩にかけて作り上げた香水の瓶を入れる袋として、宮崎さんが選んだのが、リネンだったというわけです。



天然香料の限りなくナチュラルなリネンウォーターをつくりたい


サンプルのやりとりなどを通じて話をさせていただきながら、宮崎さんのもの作りへの熱意や、「アンティアンティ」の製品の確かさに触れ、この自然の香りをリネンバードでも扱える何かにできないだろうか?と考えるようになりました。
すぐに思い浮かんだのは、リネンウォーター。体にじかに触れるものではないので、それほど気にとめてもいませんでしたが、これを天然香料で、限りなくナチュラルにつくれないだろうか?
そこで、宮崎さんにお願いしたところ、「やってみましょう!」と、快諾。

こうして始まった「リネンウォーター」プロジェクトでしたが、
実はこれがなかなか、一筋縄ではいかないものだったのです。
安定剤や保存料を使わずにつくることの難しさ

香りを決めるところまでは、スムーズに進みました。が、その後がとにかく大変だったとか。
「とか」というのは苦労されたのは宮崎さんたち、アンティアンティのみなさんだけで、発注側のリネンバードは、何も知らされていなかったからです。
「いや〜、勉強になりました」と苦笑いする宮崎さん。なんと、配合を変えて100種類以上試作を重ねたのだそうです。
「本当はね、天然香料と天然の水、これだけで作りたかったんですよ。でもねえ、なかなか混ざらない」。
水と香料を混ぜ、そのまま安定した状態をキープさせるためには、配合の比率、温度や湿度、季節による温度差など、さまざまな要因がからみ合ってきます。市販されている多くの化粧品などの品質が変わらないのは、状態を安定させるために乳化剤や界面活性剤などが使われているため。ところがそれらを一切使わないとなると、本当に大変なのです。



昔ながらの作り方に取り組み、8ヶ月にわたる試行錯誤の末、完成!


「それで結局、昔ながらの方法に立ち返ることにしました」。
使ったのは天然(石油などを使っていない)のアルコール。
「化粧品作りではアルコールは使わないようにしていますが、リネンウォーターなら、アイロンをかけるときに熱で蒸発するでしょう。殺菌効果もあるし、いいんじゃないかと思って」。
そして今度はアルコールを使ってこれまた試作の繰り返し。結局500kg(!)ものアルコールを使ってようやく完成したのです。
ここまでなんと約8ヶ月。
ひたすらでき上がるのを待つばかりのリネンバード側では、そんなご苦労があったとはつゆ知らず、ただただ「まだかなあ」と待ち続けていたのでした。宮崎さん、本当に申し訳ありませんでした!



どんなところで生まれたの?早速、ラボを見学してきました




こんなふうにして苦心の末、長い時間をかけて生まれたリネンウォーター。
「ようやく完成しました」と、宮崎さんからお電話をいただいたとたん、待ちに待った完成品を一刻も早く見たくなって、富山にあるラボラトリーまで出かけることにしました。
宮崎さんは、生まれ育った富山を今もベースにしているのです。






ここがラボラトリーです。
大小のフラスコやビーカーが並び、まるで学校の理科実験室のよう。


白衣を着た方たちが作業をしています。


こんなところは、ちょっと厨房のようです。


世界中を回って手に入れてきた香料は冷蔵庫に、
でき上がったシャンプーなどは大きな容器で保存されています。



ナチュラルで吟味された材料のみでつくられた、ぜいたくなリネンウォーターです


リネンウォーターに大切な香りは、お店のみんなでいくつかを試して、いちばん人気のあったゼラニウム、オレンジ、ラベンダーのミックスになりました。ゼラニウムのバラに似た甘い香りと ラベンダー独特の草原のようなやわらかい香り、そしてオレンジのさわやかさがバランスよく交じり合った、まさしくこれもオリジナル。
「ゼラニウムはエジプト、オレンジはブラジル、そしてラベンダーはブルガリアのものです。それぞれ僕たちが世界中を旅して回って、ベストだと思うものを使っているんです。そして、届いた花たちは、ラボでひとつひとつ手作業で精製して、残留農薬を残さない処理をしています」。もちろん、防腐剤も保存料もいっさい使っていません。
また、水も特別なもの。「10年以上研究を重ねて開発した「ナノミネラルアクア」です。富山の山奥の湧き水をナノレベルまで分子を細かくしたものなんです。こうすると、純度が高くなり、腐りにくく、また香料も混ざりやすくなるんです」。
「これだけ吟味された材料のみでつくられたリネンウォーターなんて、おそらくほかにはないと思いますよ」と、胸を張る宮崎さん。
ナチュラルなよさを家じゅうで感じてみてはいかがでしょうか?


こうして誕生したリネンウォーター、リネンバードの「リネンパルファム」はエンベロープオンラインショップで販売しています。