2016.8.26
ぱちん。開け閉めするたびに何ともほのぼのとした音を立てる、がまぐちのお財布。リゼッタのお財布が、がまぐちの形になったのはなぜでしょう。最終章ではその秘密も聞いてみました。デザイナーの私物、歴代のポルトモネも登場!
>> 番外編~なぜにリゼッタのお財布はがまぐちに?
「ヒントはなつかしの昭和のお母さんでした」
みなさんの使っているお財布はどんな形ですか?
たっぷり入る長財布や、コンパクトな2つ折り、
小銭入れとお札入れを分けている方もいますよね。
そんな中で、リゼッタがお財布として考えたのは「がまぐち」でした。
時は少し遡って昭和のころ。
夕暮れどきになると、街にお豆腐売りのおじさんがやって来て、
近所の母親たちはみんな、金物のボウルとがまぐちのお財布を持って、
買いに走ったものでした。
またあるときは、駄菓子屋さんに行く子どもたちのおこづかいを渡すとき、
あるときは、お手伝いのお駄賃をあげる場面で。
小銭を出すのは決まってぷっくり膨らんだがまぐちのお財布から、
そんな時代がありました。
リゼッタがお財布といえば、と思い描いたのは
そんな私たちの母親、またはさらにその母親世代が、
前掛けのポケットからがまぐちを取り出して
つまみを開けて小銭を探す微笑ましいしぐさ。
ぱちん、ぱちんと音を立てる姿に愛着があったといいます。
今はファスナーやボタンで留めるお財布が主流、
がまぐちであっても小銭入れとしての用途のようですが、
あのころは、お札も入る2段式の大きながまぐち財布を
みんなが使っていたのだといいます。
▲リゼッタのポルトモネは、内側にもがまぐちがある2段式。
小銭を探すしぐさに、なるほど心が和みますね。
こうした思いが根っこにあって、
リゼッタはがまぐちのお財布を作り続けてきました。
後編でもご紹介した初代ポルトモネ・ラパンから5年。
プライベートでもポルトモネを使い続けている
デザイナーに歴代の私物を見せてもらいました。
▲リゼッタのデザイナーの私物ポルトモネ。
奥から、
・初代ポルトモネ・ラパン(トープ色/2011年)
・ポルトモネ・パフバル(くもりぞら色/2011年)
・ポルトモネ・ドゥロー(カラメル色/2012年)
・ポルトモネ・メザンジュ(ノアール色/2013年)
・ポルトモネ・ラパン(マラン色/2016年)
初代のポルトモネ・ラパンは、
昭和のころのがまぐちを意識して、あえてつるんとした革を使っています。
形のお手本にしたのは、デザイナーがパリの雑貨店で見つけて、
長く使っていたがまぐち。
明治時代にフランスから伝わったとされるがまぐちですが、
デザイナーが愛用していたフランス生まれのものも、
かつて日本の母親たちが使っていたものも、
仕様は同じで2段式だったそうです。
▲初代ポルトモネ・ラパンのトープ(茶)色。
昭和生まれの方は、なつかしさを感じる風情でしょうか。
▲上が初代ポルトモネ・ラパン。下が現在のもの。
2羽のうさぎを象ったつまみ部分は変わっていません。
その後、お財布として使いやすい大きさを考えながら
小さくしたり、大きくしたり。
▲こんな風になりました。
革は初代をのぞいて、ずっとタンニンなめし。
なめしの具合で硬さ、柔らかさがずいぶん変ってくるそうで
歴代のものを比較しても、まったく同じものにはなかなかお目にかかれません。
>> おまけFile スタッフF
ポルトモネ・ブーケ
「こまごましたものを受け止めてくれる、小さめの布ポーチ。便利です」
リゼッタのポルトモネは基本お財布用途、大体が革素材ですが、
ポーチとして使える小さいものもたまに作ります。
スタッフFが愛用しているのが、こちらのポルトモネ・ブーケ。
▲下ぶくれの顔が可愛くて。
「使い始めて3年ぐらいです。革のような経年変化はないけれど
布は布のやわらかい魅力がありますよね。
このブーケのシリーズは、白だけど凹凸のせいか
汚れが目立たないのもいいんです」
▲小さいけれど、マチがあるからいっぱい入ります。
▲中身を出したらこんなに!
ハンドクリーム、オロナイン、眼鏡ふき、リップクリーム、
アイブロー、鏡に胃薬、裁縫セット…小さいものは何でもここに入れてしまうそうです。
「わたしの必需品は、ポルトモネの右横にあるふたつの瓶。
頭痛のときにこめかみに塗るとリフレッシュできる
台湾の白花油(青いラベル)とハーブオイル(茶色い瓶)です。
車酔いにも効くので必ず持ち歩いています。
歯の形のキーホルダーは、デンタルフロスなんですよ」
***
いかがでしたでしょうか。みんなのポルトモネ。
今は販売していないものが多く、あしからずですが、
使い方の参考にしていただければと思います。
最後にちょっと宣伝です。
本日、ポルトモネ・ラパンがオンラインショップに再入荷しました(8月26日15時ご紹介予定)。(販売終了しました)
少しずつしか入荷せず、同じものを作ることも少ないリゼッタのアイテム。
「あぁフラワーが欲しかったな」「メザンジュ、もう1色買っておけばよかった」
スタッフである私も買い時を逃すこと、しばしばです。
リゼッタの10周年を記念して復刻したポルトモネ・ラパンですが、
前回入荷の際はすぐに売り切れてしまったので
気になる方はお早めにお買い求めくださいね。
▲右奥が今回入荷のポルトモネ・ラパン。手前は、ポルトモネ・はらっぱ(9月入荷予定)です。(販売終了しました)
かなり長話になってしまった今回のみんなのノート。
最後までお読みいただいて、どうもありがとうございました。