フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2025.4.15
あちらこちらに春が色づいて、穏やかな陽気になりました。
車で田舎道を走ると、眩しいくらいの黄色い菜の花、
ピンク色の木は桜のようにも見えるけれどアーモンドの花かな、
あれは小麦の緑かしらね、といった具合に、色彩豊かな景色に心が踊ります。
例え何も芽を出していない土地があったとしても、
それが耕された土ならば、ここは3月4月に種蒔きをした
リネン畑かもしれないと想像して余計に嬉しくなるのです。
よいお天気の週末は犬を連れてどこかへ遊びに行くのですが、
今週は海街に暮らす義母を訪ねました。
出かける準備を始めると犬は遊びに行けるとわかるようで、
喜んで後部座席に飛び乗り1時間強のドライブでも終始大人しくしています。
義母とは会うといつも最近つくった物の話になります。
手を動かすことが好きな彼女には好奇心があって、
料理やソーイングのことを今よりもずっとフランス語が
話せなかった頃から楽しく会話ができていました。
定年退職をし更に夢中になったという
製作中の編み物を見せてもらいました。
ソフィースカーフといって三角形状に細長く編んだものですが、
こちらは巻くとスカーフのようになります。
デンマークのニット用パターンを販売する会社によって
最初にデザインされたそうで、お友達の名前をとって
ソフィースカーフと名付けられたのだとか。
今年に入ってスマートフォン デビューをした義母と
最近よく写真のやり取りをしていたので、
これを編んでいたのは知っていましたが、
なんとグラデーションが美しいブルーのコットン糸で
私にもつくってくれていました。
思わぬ贈り物がとっても嬉しかったです。
私は仕事以外でも家族のものをつくるほど
縫い物は昔から好きでしたが、
実は編み物が苦手でこれまで何度も挫折しています。
しかしながら、編み物は面白そうだなとは、
いつも打ち合わせでリネンバードにあるムーリットの
フロアにうかがう度に感じており、
店内に並ぶ世界中から集まった素敵な糸を見ると、
こんな私でも思わず編んでみたくなります。
ソーイングと違って材料も道具もコンパクトなので
場所を選ばず作業ができることも魅力ですよね。
あぁまたいつか、凝りもせず再び手を出す日が来るかもしれません……
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/