フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2025.5.28
5月、ツバメたちがノルマンディに帰ってきました。
この晴天はそろそろ初夏かなあと思っていたところ、
一雨で季節が戻った週末です。
リネンのシャツ1枚で軽やかに過ごせるようになるには、
まだ少しかかりそうです。
日本もテレビでよくそういった番組があるかと思いますが、
こちらでも「フランスで最も美しい(美味しい)◯◯」といった
お料理チャンピオンとか、美しい村だとか、
そのカテゴリーで1番の優秀を決めるメディアが人気です。
ルーアンからもほど近いノルマンディの港町 ディエップは、
2020年に「 フランスで最も美しいマルシェ 」に輝きました。
毎週土曜日に開かれるマルシェには地元の人だけでなく、
有名になったこともあって観光客もたくさん訪れます。
港があるので新鮮な魚介類が豊富であること、
そしてローカルの生産者が多いことも関心を集める理由です。
ふっくらみずみずしい葉野菜や新玉ねぎなど 、
この時期のマルシェはとても豊かで買い物が楽しいです。
春の人気者といえばホワイトアスパラが浮かびますが、
今日はその隣に緑色の土筆のような野菜を見つけました。
これは、アスパラ ソバージュ(野生のアスパラ)という山菜です。
旬が大変短いためスーパーマーケットにはほとんど
並ばない野菜だそうで、私も初めて見ました。
生食もできるし、ソテーして肉料理の付け合せにするといいよ、
と食べ方を教えてもらいましたが、蒸籠で蒸してオリーブオイルと
塩をぱらっとしたら美味しいに違いないと思い、
帰宅後に早速やってみました。
やっぱり季物は素材そのままを食べるのがいいな、
なんて通ぶってみたものの、実はちょっと想像と味が違ったのです。
自生ならではの力強いアスパラの味がすると思いきや、
全くクセがなく何にでも合いそうな柔かな風味。
それもそのはず、アスパラと名乗ってはいますが、
全く別の分類科なのだとか。
知らない食べ物ってまだまだありますね。
ひとつ勉強になりました。
先日まで開催されていたエンベロープの「かご展」で
紹介されていた日本のつくり手さんたちによる端正な作品を、
感嘆の声を漏らしながら眺めておりました。
フランスでも籠は古くから人々の生活に根付いており、
この日もマルシェで活躍する姿をあちこちで見かけました。
ジャガイモがどっさり入った楕円の籠に、たっぷりお買い物が
できそうなカート、みんな格好よく使い込まれています。
働く生活道具が美しいのは世界共通だと感じるひとコマでした。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/