フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2025.9.05
9月になりました。
フランスの子どもたちは長い夏休みが終わり、
今月から新年度がスタートです。
なんでも、こちらの学校は入学式などの式典はなく、
進学の年であってもその日が来たらスッと始まるのだそうです。
こういったところも物事にきっちり節目を付ける
日本との習慣の違いがあるなと思います。
そして今週に入ってしばらくの間 耳にしなかった
デモやストライキの情報が次々と、あぁ大人たちも休暇を終えたのね、
と日常が戻ってきたのを感じています。
8月終盤のとある日、 天気予報を見ておそらくこの日が
今年最後の夏になるだろうと直感し、海へでかけました。
ビーチには私達と同じように夏惜しむ人々、
水温が低かったので泳いでいる人は
あまり見受けられませんでしたが、
みんな各々の太陽を楽しんでいました。
あら?写真を見返していて初めて気が付きましたが、
そういえば誰もパラソルをさしていませんね。
今年はフランス北部でも40℃近い猛暑日が数日ありましたが、
海岸沿いは都市部よりも気温が低く暑い日も快適に過ごすことができます。
しかし涼しいとはいえ 乾燥していますし 紫外線も強いので、
肌への負担が気になるところですが、
フランス人は老いも若きも小麦肌が大好き!です。
私は灼けると肌が火傷のようになってしまうので真似できませんが、
友人によると日焼け後のケアに重きを置くそうです。
ビタミンを多く摂取し、沈静効果のあるアロエジェルなども
活用するのだとか。
「でも大丈夫、人の顔のシミなんて誰も気にしちゃいないわよ?」
と言っていたのがなんだか羨ましかったです。
この人は自分のために美しくあろうとしているのだな、と思ったから。
夜は野外映画を見に行きました。
市が無料で開催しているプログラムのひとつで、
夏の間にいくつか上映されていました。
この日はアニメーションだったので、
小さな子供連れの方ばかりかと思いきや、
御婦人の仲良しグループなんかもいらしていて、
色んな世代の人たちと一緒に楽しめたのが心地よかったです。
半袖で身軽に過ごせた日々は思い出がたくさんです。
あの爽やかな陽気は夢だったのかなと思うほど、
一度雨が降ったのを境に今ではすっかり
秋の気配が濃くなりました。
アトリエでは仮縫いを済ませ、ぼちぼち縫製業務を開始しています。
画像はタイカラーブラウスの衿部分に水玉模様を入れているところです。
パターンで確認しながら、結んだとき、垂らしたときにも
柄が丁度良く出るように刺繍をします。
紫色のリネンにつぶつぶのアイレットワーク……
いつの間にか口の中がぶどう味に。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/