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18.09.27
《つくり手ファイル》上品さの中にある武骨さと清潔感/STUDIO LA CAUSE栗山元さん
デザインからパターン、裁断から縫製、仕上げまで全てを自分たちで手掛ける、STUDIO LA CAUSE(スタジオラコーズ)。革の風合いを活かしたシンプルな革小物は、名古屋にあるアトリエ兼ショップでつくられます。
二子玉川shedでの展示会を前に、店主であり革作家である栗山元さんにお話を聞きました。
※2018年9月の記事です。展示会は終了しました。
■あらゆるアプローチで革をかたちに
STUDIO LA CAUSEの財布を手にとった時、驚きました。
すっきりとした財布の中には、細かい仕切りやポケットが充実。雑然としがちな中身を整理しながら気持ちよく使えそうな財布は、美しさも兼ね備えています。
「やはり日々使う物ですから、使い勝手を無視することはできません。ですが見た目のよさも同じように重要。どちらの要素も上手く混ざり合って最終的にすっきりとしている、そんなイメージを目指しています」
機能と意匠について、栗山さんはそう話します。
ものをつくる時は素材からインスピレーションを得ることもあれば、日常を過ごす中でデザインが浮かぶことも。つくりながらブラッシュアップしていく方法もあり、様々だそうです。
そうやって、あらゆる方向から得たピースを常にストックをして、ものづくりをしているのだと言います。きっと常に頭のどこかに、革のことがあるはず。そう感じさせる言葉でした。
そんな栗山さんは、革とどうやって出合ったのでしょうか。
■ものづくりとファッション好きが高じて
石を磨いてツルツルにしたり、木材を削っては何かをつくっていた子どもだったという栗山さん。
高校生になると洋服に興味を持ち、ファッションの専門学校へ進学します。その在学中、アルバイト先のレザ―ベルトの店でカスタムベルトを担当し、今の道につながります。
「つくった物を喜んで身に着けてもらえるのが嬉しくて、もっと革を使って様々なものをつくりたいと思ったんです。身近にある革小物がどんな構造なのかを知りたくて分解したりして、独学で勉強しました」
自分の道を見つけた栗山さんは、卒業を待たずに独立。30歳までに自分の店を持つことを目標に、他社のOEM生産などを請け負いつつ、オーダーで自身の革製品をつくりはじめます。
そして2008年。現在の名古屋市名東区にアトリエを構え、2年後には念願のショップもオープンさせます。
STUDIO LA CAUSE。
フランス語でSTUDIOは作業場、LA CAUSEは原因や動機、全ての元という意味。栗山さんの名前の元(はじめ)、また出発点の意味を込めてアトリエを兼ねたショップであるその場所をそう名付けました。
■「使い方に余白があって、自分らしく使える」
上品さの中にある武骨さと清潔感。STUDIO LA CAUSEの革アイテムにはその両面があるからこそ、男女を問わず惹きつけるのではないでしょうか。
衣服作家 大路 真穂さんもその一人。素敵な財布を持っている人にSTUDIO LA CAUSEを教えてもらい、「これを女性が持っていたらかっこいいだろうな」と、2年前より長財布、名刺入れそしてポーチを使っています。
■革だからこそ表現できること
「様々な素材がある中で、なぜ革だったのか」と栗山さんにたずねると、こんな答えが返ってきました。
「革の持つ独特な雰囲気というかオーラに惹かれたのが、一番の理由だと思います。革のバリエーションは本当に膨大。味の出やすい革、発色が鮮やかな革、武骨で荒々しい革…それぞれに個性があって見ていて飽きないんです」
縫う以外に、削ったり磨いたり貼り合わせたりと、素材の特性やつくるものに合わせて様々な技法がある革。自由な発想で自在に成型できることも、革素材ならではと言います。
shedでの展示期間中は、栗山さんが在廊して受注を承ります。一部商品は当日お持ち帰りいただけます。
STUDIO LA CAUSE/POP UP SHOP
shed(東急田園都市線・大井町線二子玉川駅より徒歩3分)
2018年10月5日(金)から10月8日(月・祝)
11:00-19:00(最終日は17:00まで)
※こちらの展示会は終了しました。
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