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23.12.14

リゼッタのアトリエから生まれる、鋳金のアクセサリー

リゼッタでは洋服とともに、アクセサリーも手掛けています。スケッチを描き、小さなワックスに命を吹き込むように彫ってかたちにするのはアトリエスタッフ。普段あまりお見せすることのない制作風景をご紹介します。

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■はじまりはうさぎのブローチ

サーカスの象や冬の森のフクロウ、丸くつやっとした実のリンゴンベリー……さまざまなモチーフのアクセサリーは、リゼッタのアトリエで生まれます。

そのはじまりは二羽のうさぎが寄り添う「ブローシュ・ラパン」。

ブランドがスタートしたばかりの頃、うさぎ好きのデザイナーが愛用していたアンティークをもとにブローチをつくりました。

以降、アクセサリーシリーズはオリジナルデザインで展開しています。

ワンピースやコートの襟元に、ストールや帽子ピンとして、ブローチは装いとセットになるものだからリゼッタにとって特別な存在。

ラインナップの中で特に充実しているのがブローチです。

デザイン担当はスタッフのちば。大学で学んだ鋳金の技術を活かして、制作しています。

▲スタッフちば。洋食器デザインの仕事を経てリゼッタへ

「鋳金は金属を型に流し込んでかたちにする製法で、自由なんですよ。なんでもかたちにできるんです。

大学では大きなオブジェをつくっていましたが、もともと身の回りのものをつくれるようになりたくて鋳金を選びました。今それができていて、なんだか不思議な感じです」

▲あらかじめスケッチを描き、かたちにしていきます

■小さなワックスに命を吹き込むように

アトリエでの制作風景を見せてもらいました。

「最初にワックスの原型をつくります。大体の輪郭は最初に決めるんですけど、細かいところはやりながら。ひたすら黙々と制作します」

ワックスを削って彫って、さらにワックスを溶かして盛りながらかたちをつくっていきます。

▲スパチュラをアルコールランプで熱し、ワックスの形成をします

「木の彫刻家が木と対話しながら彫っていくという話を聞きますが、それと同じでひたすらワックスと向き合っていくと自ずと形が見えてくるんです。

彫っているものが大きく見えて、自分が小さな虫になって這っているような気持ちでつくっています」

▲スケッチよりももっと細かい線を彫っていきます

他の仕事との並行ではあるものの、完成までには1週間ほどの時間がかかります。

「後から見てなぜこんなところにこだわったんだろうと思うこともありますが、神は細部に宿るというように、細かいところがおろそかにならないように心がけています」

原型が完成したらキャスト(鋳造)に出します。ここで何日も手塩にかけてつくったワックスは溶けてなくなってしまうので、いつも名残惜しいような気持ちになるのだそう。

▲ワックス型をもとにできあがったシルバーの原型

「素材が変わると表情も異なってくるので、シルバー原型も少し修正をします。その後サンプルをつくってもらい、それを確認してやっと量産に入ります」

▲消しゴムハンコのようなゴム型。量産するために使用します

■装いになじむアクセサリー

アクセサリーのモチーフは、その年のコレクションテーマにリンクしています。テーマからイメージをふくらませて、ちばとデザイナーの平が企画を進めていきます。

平からは服をつくる人ならではのリクエストが入るそう。

「平は服と合わせたときのつけやすさなど実用的な視点でも見てくれます。少し重いから裏側をもっと削ろうかとか、二人で話しながら決めています」

▲最新作のプティ・ブローシュ・エレファン。小さめのブローチなのでさらに細かい作業になります

アクセサリーはなくても過ごせるもの。けれど身につけることで背筋がぴんと伸びて誇らしい気持ちになれるような、装飾品としてだけでなくお守りのような側面もあります。

服と同じように永く大切にしたい、何年先もずっと一緒に時を重ねるものをめざして。

リゼッタではそんな思いを込めてアクセサリーづくりをしています。

カテゴリ:リゼッタ

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