早速工程を見せていただきました。・・・つづき




95〜96℃で蒸します。布の厚みや色の塗り重ね具合などによって 違いますが、だいたい20分。「染料が乾かないうちに蒸すと、 発色がよくなるんです。これがうちの特色」。
蒸さずに染色だけしても、水で洗ってしまうと色はほとんど定着しません。
実はとても大切な作業。




蒸し終わったら、水の中でのりを落としていきます。黒く塗りつぶされていた部分が、みるみる洗い流されて美しい色と絵柄が現れました。
こんなに複雑な模様、こんなにたくさんの色が使われていたなんて改めてびっくりです。
「以前はこの作業を川でやっていたんですよ。水質汚染?とんでもない。
だってのりの原料はもち粉とぬかですよ!昔はこの作業をやってると、 魚が寄ってきたっていわれてるくらいです(笑)」。

こののち、脱水、乾燥してひとつひとつを丁寧に検品したところで納品。
その後、別の工場で裁断され、端ミシンをかけて風呂敷としてようやく完成します。


型紙を使っていても、絵を描くのと同じ気持ち


手描き友禅に比べれば大量生産が可能とはいえ、その作業工程は気が遠くなるほど多く、ひとつひとつの作業にはちょっとした手加減や経験、技術が必要だということがよくわかりました。
「絵心も必要なんですよね。絵を描くようなつもりで作ってますから」。

でき上がった風呂敷の細かい絵柄、使われている色の数やちょっとした筆さばきを改めてしげしげと眺め直し、これもひとつの作品に違いないと思わずにいられませんでした。
型紙を使っていても、絵を描くのと同じ気持ち

最後に、萩原さんの家に古くから伝わる小紋の型や昔の江戸更紗の古裂こぎれを見せていただきました。
そのモチーフは花や葉などの自然、鹿やきつねなどの動物から幾何学模様など。
どれも繊細かつ大胆に美しい連続模様として連ねられ、それはもう見事。
昔の人のセンスに脱帽でした。
現代を生きる私たちが見ても、洋服やインテリアにすぐに使ってみたい!と思うものばかりです。

「これをどう生かすかですか? それは子供たちの世代がどうするかでしょう?」と、
笑う萩原さん。

去年から息子さんが工房に入って染色の仕事を手伝い始め、 娘さんも将来はお父さんの仕事を手伝いたい、と話しているとか。
風呂敷の需要はなかなか伸びないそうですが、代々伝わる染色の手法やすばらしいデザインをうまく生かすステキなアイディアが生まれるといいですね。