フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2020.12.09
今年は月日が経つのが 本当にあっという間、気がついたら師走です。
本来なら12月のフランスは一年で一番キラキラと華やぐ季節ですが、
こんな状況では仕方ありません。
外出許可証を携帯すれば不要不急の商店 へ
(例えばクリスマスプレゼントを買いに)も行けるようになりましたが、
今月中旬まではロックダウンが続きその後は夜間外出禁止令に切り替わります。
フランス人にとって最も重要な行事 ノエルについても政府発表があり、
12月24日と31日に限っては夜間外出禁止令を解き、
6人までの人数制限付きで会食してもよいそうです。
我が家も話し合いをしましたが、高齢の家族もいることから集まりを断念しました。
このアトリエだよりでも度々ノエルの様子をお届けしてきましたが、
今回はこれまで食べてきたお祝いの食事を振り返ってみようと思います。
まず到着した人たちからアペロ(食前酒)を始め、全員が揃うのを待ちます。
各々好きなお酒を飲みますが、特別な日なのでシャンパーニュを
いただくことも多いです。
ノルマンディではカルヴァドスという林檎の蒸留酒や、
白ワインの代わりにシードルを使ったカクテル キールノルマンもよく飲みます。
前菜は生牡蠣やスモークサーモンなどの魚介類を白ワインと。
うちではお料理は女の人達が中心になって準備しますが、
食事やワインのサーブは男の人達で行います。
屋外の寒いところで牡蠣を捌くのも叔父さんたちがやってくれます。
サーモンはレモンを絞る以外にバターを合わせるのも定番の食べ方です。
横にドーンと塊が置いてありますね。
同じく前菜に出るフォアグラはフランスでも高価で、ノエルにいただく特別な食材です。
テリーヌにしたものをバゲットではなく、スライスして焼いたブリオッシュと食べます。
パンについてもそうですが甘みとの相性がよいので、ワインも必ず甘口のものを。
またフォアグラは前菜として以外にも、一口大に小さくカットしたパンに
ジャムを添えたカナペもアペロのおつまみにします。
もうすでにお腹は満たされていますが、ここでようやくメインです。
ノエルならではのメインにシャポンがあります。
シャポンは去勢をした雄鶏のことで、この時期にしか見かけません。
田舎で暮らすお爺ちゃんに農場で買ってきてもらうのが毎年の恒例です。
この時はサイドに野菜のソテーとパスタを添えました。
ワインは赤やロゼに変えます。
この後レタスにドレッシングを和えただけのサラダと、
義父が揃えた様々な産地のフロマージュを食べます。
そして最後にデザートのブッシュドノエルが待っています。
お腹いっぱいなのに甘いものは入る不思議!
私にとってノエルはフランスの伝統的な食文化に触れる絶好の機会で、
特に料理の食べ合わせは驚きの新体験でした。
お爺ちゃんにブルーチーズと白葡萄のマリアージュを教えてもらったのも、
いつかのノエルです。
来年こそ皆で楽しいノエルを迎えられますように。
今年もアトリエだよりをお読みくださりありがとうございました。
どうぞ暖かくして年末年始をお過ごしください。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/