11月最後の週末、ノエルのイルミネーションが始まりました。
日本に比べて街灯やネオンの灯りが少なく、普段、夜は真っ暗ですが、
この時期だけは街中がきらきらしています。

そろそろ家族へのプレゼントを用意しなくては。
それぞれの顔を思い浮かべながら考えます。
そんな時間は楽しく、また、人数が多いので結構悩んだりもします。

義理の祖父への贈り物を選ぶとき、思い出す話があります。
ソリアノ家のノエルは、田舎の叔母の家に親族みんなで集まって、
お昼からパーティーをするのが恒例です。
テーブルを囲むと、義理の祖父は決まって、自分の子供の頃の話をしてくれます。
毎年同じ話、ノエルの朝、靴下の中にオレンジが入っていて、
それを兄弟みんな大喜びで食べたんだ、という内容です。
世界中が貧しかった時代、オレンジ１つだって子供達には特別なものだったそうです。
今の子供達は、靴下に入っているのが果物だったらがっかりするだろうがね、と笑う彼を見て、
自分はなんて恵まれているんだろうと思いました。

この話をもう何十回と聞いている孫達は、やれやれといった様子。

でも、私は気付いています。
うちのノエルのテーブルコーディネートには、いつもオレンジが添えられていること。
今年もおじいちゃんの話が聞けて、１年間元気に過ごせてよかったと、みんなが思っていることも。

2013.12.8
ENYO ソリアノ