フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2024.8.21
パリ五輪が終わり、静かなフランスの夏が戻ってきました。
自国開催とはいえ我が家の辺りは競技会場がなく、
私達はいつものようにテレビ観戦を楽しんでいただけですが、
騒然とした雰囲気を感じた瞬間があったことも事実で、
ひとまずオリンピックが無事に終わったことに
ほっとしたというのが正直な感想です。
パラリンピックはこれから始まりますので、
アスリートたちの熱い戦いが楽しみですね。
皆様はどんな夏をお過ごしでしょうか?
私は愛犬トラを家族に迎えて最初の夏休み、
一緒に海に行ってきました。
うちに来た頃、彼女は車に乗ることをとても
怖がっていたので、これに乗ると楽しいところへ
行けるんだよと覚えてもらうために、
犬が喜びそうな広い公園や森へ毎週末連れていき
ドライブの練習を重ねてきました。
始めは5分、10分、20分と少しづつ乗車時間を増やし、
この日はついに家から1時間の距離まで
海沿いに暮らす家族を訪ねることができました。
海のお家では、義母と義妹が待っていてくれました。
到着後少しの休憩を挟み、皆で近くの集落まで
ハイキングにでかけました。
ノルマンディの海岸沿いには石灰岩の崖があるのが特徴ですが、
この崖を登って隣町のビーチまで降りるコースです。
出発するやいなや、探検好きな我が子は私を置いてグングン急勾配の坂を進みます。
時々後ろを振り返っては「遅いよ!早く!」と急かされる始末。
必死について行き崖の頂上まで登ると、そこにはリネン畑がありました。
青空と海とリネン、美しい景色と爽やかな風が心地よかったです。
しばらくすると、張り切っていた足が急に止まったトラ。
その目線の先からは大きな牛たちがノソノソと歩いてきました。
おそらく生まれて初めて出会ったのでしょう。
人間以外に自分より大きな身体の生き物を目にすることは
あまりないので、驚いたのかも知れません。
登ったあとは緩やかに林の中を下り、念願の海を見せることが
できました。
波に怯えるかな、それともはしゃぐかな、と反応を楽しみに
していましたが、海水をペロッと舐めてしょっぱいことに
気がついた以外は特別変わった様子もなく、
「飼い主が誘うので足元だけ水に浸かってあげたけど?」
という顔をしていました。
今日は彼女にとって初めて経験することがたくさんあり、
興奮して疲れたのか帰りの車内ではこれまた初めて眠っていましたが、
そんな姿が見られて私達のほうが嬉しかったです。
よい夏の思い出になりました。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/