フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2024.11.13
足元が落ち葉の絨毯になり、またひとつ季節が進みました。
今年はもうあと2か月をきっただなんて、にわかには信じられません。
ずっとバタバタしていた気がするのに、
何もしないうちに過ぎてしまった感覚もあって、
達成出来ていないことに目を向けると時間の経過に焦りを感じます。
そんな私の心境を 、少しづつ気配を濃くしながら近づいてくる
クリスマスミュージックの鈴の音が余計に煽ってくるようです。
すっきりいい気分で年を越すべく、せっせと残りの日々を
こなそうと思います。
北ヨーロッパの冬の名物、ニシンを食べに
小さな港町ル・トレポールへ行ってきました。
栄養価が高くリーズナブルな価格帯であることから、
北欧などでは国民食として庶民に親しまれているニシンですが、
フランスの北に位置する我がノルマンディ地方でも馴染みのある魚です。
その歴史は深く、中世の頃はニシンが大漁だったおかげで
飢餓から救われ、また港町として繁栄するきっかけになった
象徴的な魚なのだそうです。
漁が盛んになる11月は州内のあちこちの港で「ニシン祭り」が
開催され、水揚げされたばかりの新鮮なニシンが焼いたり
燻製にしたりマリネにされて売られます。
大きな規模のお祭りに行くと、街中が煙だらけになるほど
活気がありますが、今回はそちらへは都合がつかず
このル・トレポールを訪れました。
こちらはおそらく各ニシン祭りの中で最もローカルではないかと
思われる程小さな地域の催しです。
会場の公民館へ入るとどこか懐かしくあたたかな気持ちになりました。
中では和気あいあいと市民の皆さんが働かれていて、
ニシンとジャガイモの調理方法を選んで食券を買うよう
おじいさんが教えてくれました。
イベントに来た、というよりも学食のような雰囲気です。
そういえば久しぶりに焼いたお魚をいただきました。
お部屋に料理の匂いがすることを嫌う人が多いためか、
フランスの一般家庭でBBQ以外に食卓に焼き魚が並ぶことは
ほとんどないように思います。
どうしても調理後も匂いが残る魚のグリルはレストランか
こうしたイベントブースで食べるのだと、同行していた友人が話していました。
日本ではコンロに魚焼きグリルが付いていて、朝ご飯にも
焼き鮭などを食べますよと知ったらフランス人はきっと驚くのでしょうね。
素朴なお祭りでしたが、あれもこれもしなくちゃと忙しなかった
気分がほっと一息つきました。
寒くなる頃ですので、栄養をたっぷりとって健康に過ごしましょうね!
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/