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青い小さな花をつけてから約一ヶ月後、シードボールが熟し、リネン畑が金色になりました。
収穫の時期です。

フラックスの収穫はお米のように刈り取るのではなく、根っこごと引っこ抜きます。
引っこ抜いたフラックスはそのまま土壌に寝かせ、太陽のもと、雨風に晒します。
こうすることで土中のバクテリアがフラックスを食べて分解され、
表皮から繊維を取り出しやすくなるのだそうです。
この工程をフランス語で “le rouissage”、”浸水”と言います。
かつては川の中に浸して行っていたことから、今でもこう呼ばれています。

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ようやく収穫されましたが、回収して工場で糸になるまでにはもう何週間かかかります。
また、フラックスは5~6年周期の輪作を行います。
その理由は収穫で根ごと抜き取る際、土の中に根っこのくずやバクテリアが残るのだそうです。
この状態で翌年に種を蒔いても、熟れないうちにバクテリアに食べられてしまい、大きく育たないとのこと。

リネン作りを追ってみると、その手間と時間のかかること、
そして広大な土地が必要だということを改めて感じます。

これはリネンに限ったことではありませんが、普段私達が何気なく使ったり食べたりしているものの全てが、
見えない誰かが何処かで汗水流して作ったものなのだ、ということを考えずにはいられません。

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ENYO  ソリアノ綾佳
http://laviedenyo.blogspot.fr/