フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2015.12.08
気がつけばもう師走。
外へ出るとキーンと音がしそうな程、冷たい空気になりました。
真冬の田舎道を車で走っていたら、宿り木がある樹木を見つけました。
枝のところどころに、鳥の巣のような丸い固まりがあるのがわかりますか?
あれが宿り木、フランス語では”gui”(ギ)と言います。
こちらでは縁起物とされており、ノエルなど冬のお祝い事がある頃、家に飾られます。
宿り木は常用樹木で1年中見ることができますが、
すっかり葉を落として枝だけになった木に、ポコッとある様子が可愛らしいです。
宿った木の樹液を吸って生きているのだそうです。
ノエルまでひと月を切り、ソリアノ家でもさてプレゼントはどうしよう、
みんなで何を食べようかといった話題が上がるようになりました。
毎年やってくることなのに、うちの人達は直前まであーでもない、
こーでもないとワイワイやっています。
この平穏で温かなやり取りに、今は心からの安らぎを感じます。
11月は、悲しい出来事がフランスを襲いました。
以前と変わらない生活を送ることができていますが、
これ以上こんなことが繰り返されぬよう、そしていつもの穏やかな日々が
この先も続きますようにと願わずにはいられません。
私の家族だけでなく、あの人やその人達の家族が皆、平和でありますように。
都会だけでなく小さな村にもこういった電飾が飾られています。
ノエルは国を挙げてのお祝い事なのだと感じます。
宿り木?お花?がついた樹木のステンドグラス。
教会のキャンドル。お祈りをされている方の邪魔にならないよう、そっと見させていただきました。
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ENYO ソリアノ綾佳
http://laviedenyo.blogspot.fr/