フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2017.12.22
早いもので、2017年も残りわずかになりましたね。
1年のクライマックスであるノエルまでもう間もなく、ソワソワして落ち着きません。
今回はノエルの過ごし方について書こうと思います。
イルミネーションが華やいでくると「ノエルは何が欲しい?何食べる?」という
話し合いが始まります。
▲マルシェの魚屋さんに予約をしに来ました。今年のイブは日曜日だから、混む前に朝早めに取りに来ないと
遠慮もあって欲しいものを聞かれても始めの頃は何でもいいと答えていたのですが、
素直に「あれが欲しい!」と言ってしまっていいのだとわかってからは、
その都度必要なものをお願いするようにしています。
中身はなんだろうというサプライズはなくとも、
プレゼントを開ける喜びは一緒です。
以前、アクセサリーをいただいたことがあったのですが、
中にレシートが入ったままだったので値段を見ないようにしてお返ししたら、
「もしこのデザインが気に入らなかったら、
レシート持ってお店で他のと換えてもらってね」
と言われたことがありました。
サイズが合わないのならまだしも、
人から貰ったものを気に入らないからといって
交換するだなんて!と驚いたのですが、
贈り物に関する認識が日本とは随分異なると感じた出来事でした。
何を食べる?の議題については、フランス人は美味しいものの話が大好物ですので、
繰り返し何度も前日まで議論(と言っても反対意見はなく、
あった場合でもその両方を準備するだけ)されます。
実際に今、その真っ只中です。ノエルは主に家族の食事会です。
普段なかなか会えない親戚が遠くからやって来るのと、プレゼントがあること、
それからいつもよりちょっといいお酒が並ぶ、
というのは特別ですが当日やることと言えば料理をして食べること。
▲大勢なので椅子が足りなくなることも。あちこちから持ってきてどうにか揃えます
▲大半のお料理は女性たちで準備しますが、牡蠣の殻剥きは男性陣の仕事。レモンを絞ったり、エシャロットのソースでいただきます
長〜い時間のおしゃべり付きです。
食事しながら食べ物の話もするのですから、
フランス人は本当に本当に食べるのが好きです。
うちは家族のほとんどの人達に信仰がないのでミサに行きませんが、
パリのノートルダム大聖堂からテレビ中継されているミサを
毎年祖父母たちが見届けています。
私はこれをフランス版 ゆく年くる年と考えており、
一緒に見ながらこの1年のことを振り返ります。
ノエルが終わっても大晦日まで数日あるのですが、
ここまでくるとなんだかもう終わったような感覚です。
今年もENYOのアトリエだよりを読んでくださり、ありがとうございました。
皆様もどうか暖かくして、よいお年をお迎えください。
▲12月25日はすっきりと晴れることが多く、日本のお正月を思い出します
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ENYO ソリアノ綾佳