フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2018.1.31
義理の祖父母を訪ね海辺の街へ行ってきました。
少し前に引っ越しをしたばかりの二人は、
それまで小さな村に長い間暮らしていました。
村には週に何度かお医者さんが診察に来るのですが、
病院がないところでの生活を家族が心配し、
ルーアンに来ることを勧めた義母と
慣れ親しんだ場所を離れたくない祖父母、
両者の意見の間をとってこの街に落ち着きました。
特におじいちゃんが元気を失くしてしまったと
聞いていたのですが、実際に遊びに来てみると
そんなこともない様子。
なんでも引越し先のアパルトモンに、
偶然にも昔の仕事仲間が住んでいたそうです。
毎日お互いの部屋を行き来してはお喋りに興じ、
おばあちゃん曰く学生寮のようだとか。
楽しそうな生活ぶりが垣間見えてほっとしました。
おばあちゃんが焼いてくれた林檎のケーキを食べながら、
新しい住まいのこと、日本の家族のことたくさん話をしました。
長生きの秘訣は日々忙しく過ごす、だそうです。
「毎日やることがあると、終わるまで死ねないでしょう?」とのこと。
やること、というのも人それぞれ違う役割があるのだそうで、
例えそれが他人にとってくだらないことであっても、
やることがあるのは生きている証拠なんだそうです。
私はいつも寝る前に「今日は忙しかったな」とか、
「やんなきゃいけないこと明日に持ち越しちゃったな」
と考えることが多いのですが、それも生きているが故だったのですね。
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ENYO ソリアノ綾佳