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vol.3 工芸の豊かさを内包した、モクネジの水筒
ものの先をたどると、そこにはつくる人がいます。
「木曜日のエッセイ」はものをつくる人とみなさまをつなぐ、おたより。
エンベロープでご紹介している作家やブランドに焦点をあて、スタッフが思い入れとともにご紹介します。
第3回目は伝統工芸と工業技術をかけ合わせた「MokuNeji(モクネジ)」です。
モクネジの水筒は、伝統工芸に関する記事から知りました。ステンレスと木が一体になった様子をみて、これはどういうことなのだろう……と不思議に思ったのを覚えています。
水筒の特長はコップが木製だということ。山中漆器の職人が、熱伝導率の低いケヤキの木を輪切りにして木地をくりぬき、「ネジ切り」という技術でステンレスと合わせているそうです。
「使い慣れていない 木とステンレスの組み合わせなので、コップを強く閉めてしまう方も多い」モクネジを企画する小鳥来(ことりく)の古庄さんは、そう言います。
この水筒の接続部は「三条ねじ」という、ふつうのねじよりも3倍速く閉められる構造。
固く締める必要がありません。軽くやんわりとまわすだけでさっと締まります。
飲んだときの口当たりが柔らかで、コップを持つと、手のなかにすっぽりと収まります。コップは一見小さめですが、お茶を飲んで一息つくのにはちょうどいい量。飲んでいる間、自然と所作が良くなるのも設計の妙でしょうか。
道具のことを知るように使う。そんな時間もこの水筒には含まれていて、使う喜びにつながっていくことを教えてくれます。
(エンベロープスタッフみやした)
カテゴリ:木曜日のエッセイ, エンベロープフードホール