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18.08.29
《つくり手ファイル》タイルを一からつくる職人/工房「Euclid」
9月6日(木)から二子玉川のリネンバードホームで、タイル工房 Euclid(ユークリッド)の企画展がはじまります。焼き物らしさと装飾にこだわった、タイル職人白石普さんに工房を訪ねてお話を聞いてきました。
■何千年と美しく残るタイルに魅せられて
タイル職人、Euclid主宰の白石普(あまね)さん。陶芸家でありタイルデザイナーでもある父、イコン画家の母のもとに生まれ、幼いころから粘土捏ね(こね)を手伝うなど芸術的なものにふれて育ちます。
「興味はあったものの、仕事として美術の世界に入る考えはあまりなくて。でも暇さえあれば旅行へ行っていた20才の頃、留学先のイタリアで二千年~四千年と歴史ある遺跡に息づく“色彩豊かなタイル” につよく魅せられ、23才からタイル職人への道を歩み始めました」と白石さん。
職人として駆け出した白石さんは、日本でタイルの施工をはじめとする様々な技能をどんどん吸収し充実した日々を送ります。
けれど、日本のタイル文化はまだ100年ほど。職人として学ぶのならば「人の暮らしや文化にタイルが深く根付いた国」でと思い、モザイクタイルの本場・モロッコへと旅立ちます。
タイルを貼ることに没頭しつづけ、迷いなく進み続けた職人への道はモロッコで拓けます。学校卒業後は現地の工房に入り、更なるステップを重ねていきました。
26才で日本へ帰国、33才に独立、現在の工房「Euclid」(ユークリッド)へとつながっていきます。
■ゆ~っくりといいものを
タイルを土から捏ねて焼いてつくり、デザイン設計から施工まで全てを担う、国内ではめずらしいタイル工房「Euclid」。
その屋号には「幾何学の父」といわれる偉大な数学者の名にちなむと同時に、‘ゆ〜っくりと’ いいものをつくり出すという想いが込められています。
「独立当初は既成のタイルを仕入れて、変わった施工の仕方をしたりしていました」。そんな白石さんに、モロッコのリヤド(中庭のある家)を再現したいという依頼がきます。
「現地のタイル(モロッコの土でつくられたもの)は日本の風土に合わないので、自分でタイルをつくることにしました」
「人と違うことがやりたいという思いが常にあった」という白石さん。この依頼をきっかけに ‘タイルをデザインして一からつくる職人’ へと変化していきました。
■あまねく届けたいもの
世界最高のタイルを普(あまね)く届けたいという思いが、ユークリッドのものづくりの原点。「世界一はまだかなぁ、でも日本一のタイルをつくっています」
生産性を優先して機械生産が主流の今でも、ユークリッドでは独創性や手でつくることを大切にしています。
「ひと昔前の日本のタイルにはいい味がありました。そういうタイルが建物に残っていても、建物ごと次々と壊され、味気ない建物に変わってしまってもったいなさを感じます。
日本には世界一高い陶芸技術があるので、もっと多彩で個性的なタイルが増えてほしいなと思います」
そんな思いが裏側にある、独創的で色鮮やかなユークリッドのタイル。あたたかみのある美しいタイルはひとつひとつがまるで宝石のよう。見ているだけで楽しくなってきます。
■暮らしを彩るタイル
「持ち家でも、ましてや賃貸に住んでる方なんかはとくに、タイルを家のどこかに貼るのって勇気がいるし、なかなか決められないことが多いんです。
タイルは好きで魅力的と思っている人は多いけれど、遠い存在になっているようで残念に思います」
今回はタイルの存在を身近なものにと普段は制作されていない、タイルピースの小さなセットやインテリア雑貨を特別につくっていただきました。
家やその人の暮らしと共に時を刻むタイルの時計や、食卓をより豊かなものにするカッティングボード。ほか、カーテンタッセルやアクセサリーまで、暮らしを彩るタイルが皆さまをお待ちしています。
リネンバードホーム二子玉川では9月6日(木)、エンベロープオンラインショップでも 9月10日(月)からこちらのページで販売します。お楽しみに!
リネンバードホーム企画展|Euclid「暮らしを彩るタイル」
2018年9月6日(木)から 9月18日(火)
二子玉川店舗1階 11:00-19:00
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