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25.07.04

《インタビュー》SALUÉがつくる、私らしい大人のためのリネンフォーマル

SALUÉが手掛けるフォーマルラインを7月8日(火)よりご紹介します。「セレモニーにリネン?」デザイナーの藤冨砂絵子さんも以前はそう思っていたそう。リネンの新しい一面に気づかせてくれる「シンプルドレス」のお話を聞きました。

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■服づくりの道へ導いてくれた叔母様の告別式で

今やリネンは日々の装いにすっかり定着している素材。けれどフォーマルなシーンとなると、まだなじみのない選択肢かもしれません。

藤冨さんがリネンでフォーマルウエアを手がけるきっかけとなったのは、叔母様の告別式でした。

「叔母はスタイリストの仕事をしていました。

服からインテリア、そして最終的には料理のスタイリングをしていて、私は10代の頃、撮影の手伝いをしていたんです。

キッチン雑貨のオンラインショップをつくろうと考えていたときに『あなたは服でしょ』って言ったのも叔母でした。

そのときはえ~?って笑っていたんですけど、その後リトアニアリネンの生地屋さんとの出合いがあり服づくりの仕事に進む流れになったときに『やっぱり服でしょ』と背中を押してくれました」

「それまで、リネンの服でお葬式に参列するなんて考えたこともなかったんですが、服づくりをすすめてくれた人だからこそ、自分の服を着て参列することに意味があるなって思ったんです」

叔母様とのお別れに藤冨さんが選んだのが、黒いヘリンボーンリネンのノーカラージャケットとスカートのセットアップでした。

「それが、叔母のご友人にすごく褒めていただいたんです。服をつくっていることを知らない方からも、『いい服だと思った』と声をかけていただいて。

そんなこともあって、リネンでもヘリンボーンの生地なら、冠婚葬祭の場でも――少なくとも東京なら許されるのでは、と感じています。

地方のことはわからないけれど、うちの親戚はみんな東京なので、身内の集まりであれば問題ないかなって」

「翌年、今度は姪の結婚式があって。

叔母のお葬式のときから頭にあった『冠婚葬祭に着られるリネンのヘリンボーン』というアイデアを、かたちにしてみようと思いました。

そうして仕上がったのが、シンプルドレスの原型です」

▲こちらが当日の装い。12月の挙式だったので同素材のジレを羽織って。バッグはセレモニー用に購入したTACHINO CHIEのM.F.B._small

■リネンを特別な日の装いに

あらたまったシーンのための服ということで大切にしたのが、生地と縫製でした。

リネンのヘリンボーン生地と決めていたのは、式で長く座っていてもシワがあまり目立たないこと、また織りの表情に奥行きがあり、平織りほどナチュラルになりすぎず、ほどよく落ち着いた雰囲気に仕上がるから。

「フォーマルなので後染めを指定して深い黒にしてもらっています。リネンには『先染め』と『後染め』があって、後染めのほうが濃く染まるんですよ。

(工場は)アバウトな面があるのできちんと指定しないとその時々で後染めだったり先染めだったりして、結構色ブレが出るんですよね」

▲セレモニーを意識した深い黒。光沢がなく落ち着いた雰囲気

リネンはくったりした質感。さらにヘリンボーン生地はうねりがあるので、シルエットをしっかり出すには工夫が必要だったといいます。

例えば、裾の始末もその一つ。

三つ折りではなく、別パーツで見返しをつけているので縫い目が表に出ず前下がりのカーブが美しく見えるように仕立てられています。

▲ドレスがきれいに下に落ちるよう、たっぷりと幅をとった見返し

■大人がときめくデザインと安心のサイズ感

そう頻繁にあるものではないセレモニー。
いざその時がきて久しぶりに袖を通してみたら、今の気分にフィットしなかったり、以前とは体型が変わっていたり……という声も聞きます。

シンプルドレスはそんな想いに応える、身体のラインをひろわず、体型を選ばず着やすいデザイン。

リネンならではの落ち感があるので丸みがあるシルエットでも大きく見えすぎないのもポイントです。

デザインポイントの胸当てには、ライトウェイトリネンを使用。

ヘリンボーンとの組み合わせで、リネン好きをときめかせる一着に仕上がっています。

▲縮率の異なる2種類のリネンを合わせた胸当ては、縫製の難易度が高く工場泣かせのパーツ。きれいに仕上げるまでに何度もやり直してもらったそう

「ブランドをはじめて5年、私も年を取ったしお客様も年を重ね、70代以上の方も。

胸当てのデザインも丸ではなく四角にしたのも可愛くなりすぎず、大人の方も安心して着られるのではと思ったんです。

サイズに関しては、もともとアトリエにいらっしゃるお客様向けにこじんまりと展開するつもりだったので、それほど万人向けにつくったわけではありません。

でも実際にフィッティングしていただくと、見た目以上にゆとりがあって、ほとんどの方が問題なく着られました。

とはいえ165cmを超えるとマキシ丈にならないため、サイズ2もご用意しています」

▲167cmのスタッフがサイズ2を154cmのスタッフがサイズ1を着用。二人ともほどよいサイズ感で着られました

■シーン・季節を問わない、とっておきの1着

シンプルドレスをつくるうえで、もうひとつ意識したのが、セレモニーの日だけでなく、日常にも着られることでした。

いつ出番がくるかわからない服にお金をかけるのは、正直、躊躇してしまう——その気持ち、よくわかる気がします。

「私の身のまわりでも『セレモニーのためだけに高い服を買うのはちょっと……』と、ファストファッションで間に合わせた方も。

とはいえ、普段の日に着るとかしこまった感じになりなじまないんですよね。そんなふうに困っている方って、意外と多いんじゃないかと思ったんです」

靴やバッグ、アクセサリー次第で、季節やシーンに合わせたおしゃれを楽しめるシンプルドレス。

中でも真夏の墨黒は意外にも涼しげな印象で、年々暑さが増す日本の夏のセレモニーシーンでも、リネン素材ならではの心地よさがきっと助けになるはず。

フォーマルにも日常にも、季節を問わず寄り添ってくれる一着です。

▲夏のお出かけにはガラスのネックレスやサンダルと合わせて 
▲着こなしの幅が広がるよう、後ろの紐は重ね着しやすいすっきりとした始末に

先日参列した関西でのセレモニーでも、多様性を感じたという藤冨さん。装いに対するマインドにも、少しずつ変化の兆しがあるようです。

リネンのドレスを、大切な人のセレモニーの装いのひとつとして取り入れてみる。そんな選び方があってもいいのかもしれません。

SALUÉ Formal Collection
~大人のためのリネンフォーマル受注会~
2025年7月8日(火)15:00~7月16日(水)10:00

サルエがつくるリネンのフォーマルライン受注会を開催。
ひとつひとつ国内で縫製し9月上旬にお届けします。

会場はこちら

カテゴリ:エンベロープセレクト

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