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18.10.05

矢沢加工所 ふ・ふ・ふのぶどうジュース

長野県塩尻市で、農産物でジャムやジュース、味噌などを加工製造販売する「矢沢加工所」。フードホールのオープンに合わせて、こちらでつくられるとっても濃いぶどうジュースの取り扱いがはじまります。
今回は、矢沢加工所の成り立ちやものづくりについて、フードホールの商品を一緒にセレクトしてくれている、はな組主宰、フードカルチャープロデューサーの博多玲子さんがお届けします。

商品ページはこちらから

■農家のお母さんたちの加工所

長野県塩尻市は、長野にしてはおだやかな気候の土地です。でも、時折、少し強い風が吹き抜けます。

昔から塩尻市は農産物が豊富で、野菜ばかりでなく、フルーツもたくさん収穫できました。さわやかな風に吹かれながら、強く甘く育つので、プラム、あんず、ぶどう、いちじく、洋梨、プルーン、りんごなどが本当に美味しい!

中でもぶどうは、日本で初期にワインをつくったくらいの豊かな産地です。

その塩尻市で農家のお母さんたちが中心となってつくられたのが、今回ご紹介する塩尻のぶどうでジュースをつくっている「矢沢加工所企業組合」です。

「収穫期には、ぶどうにしろ、りんごにしろ、たくさん収穫できても、生食用ではすべてを消化しきれなかった。美味しいのにもったいない。何とかできないかな」と思ったのが、そもそものきっかけ。

代表の塩原さんは、県農村婦人学校に参加して、昭和58年に、生活改善グループ「矢沢会」を友人たち8人で立ち上げました。その後、県農村婦人学校の家で農産加工技術を習得し、昭和60年にトラックで農産物の直売を開始。

その後、「そば打ち」「お豆腐づくり」の講師を頼まれたりして、持っているキャリアを生かし、平成7年「矢沢会」を再結成。直売所「ふれあい広場」を設立したら反響が大きく、ずっと考えていた自分たちの農産物の加工所をつくろうという気持ちが強くなりました。そして、平成16年には念願の加工所の操業を開始しました。

▲加工所にお邪魔すると、スタッフのみなさんが次々と試食をさせてくれました

■はじまりはジュースづくりから

まず取りかかったのは、特産品のぶどうやりんごのジュースづくり。

塩尻市は、コンコードやナイアガラの生産地として名高く、クオリティの高いジュースがつくれます。昨年伺った時は、ちょうどコンコードのジュースを絞っている最中でした。自分たちの収穫分のほかに濃い紫のコンコードが他の生産者さんたちから集められ、それを順々にシンプルな絞り器で絞っていきます。

▲房からひと粒ずつ手で外し、釜で煮てやわらかくなったぶどうを絞り袋に。油圧搾機にかけてジュースを搾ります

▲搾ったジュースを殺菌中。この後、充填機でビンへと充填します

絞りたての温かいジュースを「どうぞ」とすすめていただき、早速飲みました。それはそれは、香り高い濃厚な紫色のジュース。見た目は濃厚ですが、喉ごしはスッキリしています。というのも、素材そのものの味を生かすために、無糖、無着色、無香料を守ってつくっているから。

こうしてつくったジュースは大好評で、今では直販する他に、有名飲食店や高級旅館に卸すまでになりました。

■農家の嫁さんが自立できるために

「昔はね、農家の嫁さんは自分の銀行の通帳を持てなかったんです。矢沢加工所は、自分たちのつくった農産物を捨てずに生かす、というだけではなく、農家の嫁さん達の経済的自立も果たせたのです。そしてそれが、私たちに自信をもたらしてくれたんです」

中には創業当時からずっと働いている80代のスタッフの女性もいます。

みなさん、とても明るく元気に生き生きと働いています。

こういう職場だからこそ、こんなに誠実で美味しい商品が生まれるんです。

キャッチフレーズの「ふ・ふ・ふ」は、「ふるさと、ふれあい、ふーどセンター」という意味。その名の通り、着実に少しずつ進歩してきた矢沢加工所。

今や、夏季のジュースやフルーツソースづくりばかりでなく、冬季の寒仕込みの味噌づくりや唐辛子味噌など、生産品の幅も広がり、これからますますの活躍が楽しみ。その温かな美味しさをみなさんもぜひ味わってください。

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Author:REIKO HAKATA
地方活性応援ユニット「はな組」主宰。上智大学外国語学部ポルトガル語学科卒。集英社入社。ノンノ、LEE、メイプル、marisolなど長年女性誌を担当。主にフード、インテリア、トラベルなどのライフスタイルが専門分野。現在は、地方の美味しいものを探し歩き紹介するフードカルチャープロデューサーとしての活動のほか、自宅で「ぐうたら料理サロン」、玉川テラスや自宅にて各種セミナーを企画、実施、企業のコンサルタント業務を行う。

カテゴリ:エンベロープフードホール

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