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24.11.08

《いい眠りのヒント集》もっとやわらかいものを選ぼう。寝具指導士が教える、マットレスの考え方

腰痛が長引いている。朝起きると腰が痛いときがある。そんな方は敷き寝具を見直してみる必要があります。寝具指導士の藤橋さんに腰痛で悩んでいるときの対処方法、自分の身体に合ったマットレスの考え方を聞きました。

■もっとやわらかく考えよう。マットレスと身体の関係

今回も睡眠環境・寝具指導士の藤橋さんにマットレスの考え方について教えてもらいました。藤橋さんは、billerbeck の寝具を販売する傍ら、全国の各地の寝具店に「よい睡眠」の啓蒙を行っています。

「睡眠においてマットレス選びはとても大切です。人の身体は寝具の硬さがうつるんです」と、藤橋さん。どうやら身体に合ったやわらかさと支持性の有無がポイントになってくるよう。悩みのある方に向けての話を中心におうかがいしました。

ふだんベッドではなく敷き布団を使っている方は、マットレスを敷き布団に置き換えてぜひ参考にしてみてください。

▲寝具指導士の知見をもとにたっぷりと教えてもらいました


【CHECK1】そもそも腰が冷えていませんか?


腰の悪い方がマットレスを探しに来ることが多いですが、まずは患部を冷やさないことが大切です。

寝具だったら何がいいのかというと羊毛パッドです。羊の毛は人間の体温に合わせて一緒に温度コントロールをしてくれます。羊毛は人間の身体のコンディションを自然に整えてくれる繊維なので、冷えすぎないし、暑すぎないのです。

▲身体のコンディションを自然に整えてくれる「羊毛パッド」。実は他の寝具店スタッフやブランドの方からもまず推薦されるのが羊毛パッド


なので私は腰痛でお悩みの方に、「まずは患部を冷やさないことからはじめて、次に体圧分散ができるマットにしませんか?」と伝えています。

なぜなら、睡眠に大切な3つの事柄、湿度コントロール、温度コントロール、そして体圧分散のうち、羊毛には前述の2つが既に揃っているからです。

【CHECK2】硬いマットレスがいいという認識でいませんか?


マットレスは硬い方がいいと誤って認識している人がいますが、それは正解ではありません。よくあるのはカイロプラティック先生がそのように話していたということ。

そう話す理由は、硬いマットレスで眠ると、頸椎の一部が開いてゆるみます。そうすると、腰の痛みを感じなくくなる点からカイロプラティックの先生は硬いマットレスを推奨することがあります。

しかしカイロプラティックの先生は骨のプロですが、寝具のプロということではありません。寝具のプロからすると、硬い寝具はおすすめしません。なぜかというと、人間の身体は横から見てS字になっているから、その骨のスタイルのまま布団に沈めてあげたいのです。身体が沈みっぱなしの状態はダメで必ず支える必要があります。

▲写真では分かりにくいが、体圧分散性の高いラテックストッパーによって骨の自然な形を保ちながら身体を支えることができる


硬いマットレスに寝ている人は身体が硬くなります。人の身体って寝具の硬さがうつるんです。だから、女性はできるだけやわらかいマットを選んだ方がいいです。男の人よりも、女性の筋肉の方が圧倒的に柔らかいからです。


たまに新婚さんのご夫婦でマットレスを選びに来られる方がいます。男性は高反発のメーカーの名前を挙げられたり、有名な低反発のメーカーを試してみたい方が多く、すると横にいる奥さんは「私も一緒でいいわ」となるのですが、そういった選び方はよくなく違ってしかるべきなのです。

【CHECK3】支持性のない低反発はNG。身体を支えてくれる素材を選んでいますか


マットレスの硬さが身体にうつるという話をしましたが、まくらのやわらかさも首にうつります。とくに女性はやわらかい寝具で身体を寝かせてあげてほしいのですが、だからといって低反発は"支持性"がなくただ沈むだけなので身体によくありません。

支持性が高いマットレスはラテックスです。ヨーロッパのベッド文化で古くから取り入れられていたのが、ラテックスです。ヨーロッパでは日本でも多く出回っているウレタンが主流で、日本にあるボンネルやポケットコイルは少なく、ウレタンの上のグレードがラテックスになります。

ラテックスは体重の分だけ沈み、その重さに合わせて正しく跳ね返してくれます。

もし今、身体に合わないマットレスを使っていたら、その上にラテックストッパーを取り入れてみてください。

▲藤橋さんがおすすめするミルフィトッパー。今使っている敷き寝具にプラスする形で使うことができる
▲適度な跳ね返し力があり、敷き寝具の底付き感がなく、腰をしっかりと支えてくれます
▲座ると重さに合わせて正しく跳ね返すことがよくわかります。自分の重心が後ろにいくと、それをそのまま感じられます

マットレスの選び方は、決してただ身体が沈むのでなく、体圧分散性と支持性の高いマットレスを選ぶこと、その上に羊毛パッドをプラスするのが私のおすすめです。これから寒くなっていきますが、腰が痛いなと思ったらまず冷えてはいないか思い出してください。

■いちおしのマットレストッパー、具体的にこんな使い方ができます

具体的にマットレストッパーをどうやって使うかみていきましょう。

例えば、高反発のウレタンマットレスの上にラテックス素材のマットレストッパーを載せる。敷き布団の上や下にマットレストッパーを重ねる(上下については好みに合わせて調整)などがあります。


ラテックス素材のトッパーば約4㎏ほどの重さなので女性一人でも寝具の移動が可能です。快適な寝具環境で眠りを整えてみてくださいね。

マットレスの考え方 ふり返り
・腰が痛いときはまずは冷えをチェック。身体のいちばん近い部分に羊毛パッドを敷くのがおすすめです
・硬いマットレスや布団がいいという認識でいませんか。敷き寝具は体圧分散性の高いものの上に自分の身体に合ったやわらかさを
・支持性のない低反発はNG。身体を支えてくれる素材が足りなければラテックストッパーをプラスしてみてください

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カテゴリ:エンベロープの寝具店

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