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24.02.09

身体の芯からあたたかく眠りたい。ISHITAYAの羽毛布団って他とどう違うの?

冬に欲しいのはあたたかさ。そんなときに見直す選択肢のひとつが羽毛布団です。ISHITAYAの羽毛布団と他との違い、選び方をスタッフ武蔵綾さんにうかがうと、あたたかく眠るヒントをたっぷりと教えてくれました。

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■入社14年のスタッフ武蔵綾さんが答えてくれました

エンベロープ「ふだん武蔵さんはISHITAYAでどんな仕事をしているのですか」

武蔵さん「ISHITAYAでは商品の仕入れや、原毛のクオリティの確認、オンラインや店舗でのお問い合わせに専門的な部分からお答えしたり、ダイレクトメールや印刷物などを担当しています。

原毛を海外から直接仕入れて国内で仕上げているのですが、同じ種類の農家のグースでもその年によってクオリティが違うので、テストの数値と原毛をみながら ISHITAYAの品質にかなうものかを判断しています」

▲今回、金沢と東京をオンラインで繋いでお話を聞きました。武蔵さんをイラストで表現


エンベロープ「武蔵さんはどんなきっかけでISHITAYAを知ったのでしょうか」

武蔵さん「もともとISHITAYAは『眠音』っていう冊子を年に4回つくっていたんですけど、それがきっかけでお仕事をさせていただくことになりました。

私はもともと印刷所に勤めていて、カラー校正などその打ち合わせで会長や社長とお会いするようになったのが最初です。

当時はオンラインで販売していなかったので、ホームページなどの制作として手伝えることがあったら関わりたいと思いました」

エンベロープ「『眠音』からだったんですね。働きたいとまで感じた理由はどういったところだったのですか」

武蔵さん「講師を呼んで開く勉強会を目の当たりにして、ISHITAYAの熱量はすごく高いので、魅力的だな……と、外部から感じていました。

同時に考えていたのは、寝具のことを知ってもらいたいという思いの部分は強かったのですが、テキストに落とし込むとかホームページ上で発信したいとなったとき、間に入って伝える役割がいないように感じたので、やれることがありそうだと思いました」

▲武蔵さんがISHITAYAに参画するようになったきっかけの自社雑誌『眠音』

エンべロープ「入社する前と後で感じ方が変わったことや発見したことってありますか」

武蔵さん「そうですね、ISHITAYAの扱っているものと他社とのクオリティの差に驚きました。

社長がヨーロッパでトップクオリティの素材やアイテムをセレクトしているのは以前から知っていたので、言っていることに間違いはないんだろうなと思っていたのですが、でも他社とは違うということ事体はビジネス上どこでもいうと思っていました。

私はミシンをかけるのも好きで、入社当時は割と何でもやりますっていうスタイルだったので、羽毛を吹き込んだあとに口をとじるミシン掛けもしていました。

そこで羽毛リフォームのために預かる布団の中身を見てると、ISHITAYAのつくっている羽毛布団と一般的な羽毛布団は全然違うんだってことがわかりました。間違いなくトップクオリティであることの裏取りをしている感じです」

エンベロープ「自らそういう経験をしていると、よりお客様にいい布団を伝えたくなりそうです」

■ ISHITAYAの羽毛布団って他とどう違うの?

エンベロープ「今日は武蔵さんにあたたかく眠るヒントをうかがいたくて。冬に使う布団と言えば、羽毛布団のイメージが強いのですが、そもそもこの認識ってあっていますか」

武蔵さん「はい、ISHITAYAでも多くの方が羽毛布団を選ばれて使われています。

天然繊維の中でも圧倒的に軽くて通気性がよいのが羽毛で、自分がいま使っている羽毛布団との違いをはっきり認識されて購入される方が多いです。

他にキャメルや羊毛がありますが、羽毛アレルギーだったり、掛け心地の好みが違う場合にご紹介しています」


エンベロープISHITAYAの羽毛布団って他とどう違うんでしょう」

武蔵さん「まずISHITAYAの羽毛はグースで"ガチョウ"ですが、一般的によく出回っている羽毛布団はダッグが多いです。ですので、身体の大きさが全然違います。

そこから採れるダウンボールの大きさも異なります。ダウンボールが膨らんで空気の層をつくってあたたかくなるので、ダウンボールが大きい方が少量であたたまるのです」

エンベロープ「たしかに一般的な冬用布団の充填量は1.2㎏や1.4㎏ですが、ISHITAYAのものは800gですね」

武蔵さん「そうなんです。まず軽いお布団が理想なので、ダウンボールが大きく速暖するものを入れています。ISHITAYAの羽毛なら800gで充分あたたかいんです。

羽毛にはスモールフェザーと呼ばれる円形ではない羽も多少含まれるのですが、フェザーには芯があり、そのフェザーが多いとダウンを吹き込むお布団の生地を厚くしたり樹脂を吹きかけて出ないように加工することも。そうすると通気性がわるくなってしまいます」

▲側生地も羽毛と同様にトップクオリティを選んでいて通気性も高い

武蔵さん「いい羽毛布団は中身とそれを包む側地の相乗効果でできあがります。ダウンボールが大きく、生地も軽いということは、ダウンが膨らんだときに生地の重さが邪魔することなく、ふわ~っと膨らんでくれます。加えて、薄い生地でくるむということは通気もよく肌の熱が瞬時にダウンに伝わるんです」

エンベロープ「側生地もこだわっているって聞きました」

武蔵さん「はい、理想的な生地を国内で織れるところがなく、オーストリアの老舗の生地メーカーから輸入しています。極細の糸で緻密に織られているので吹き出しの心配はありません。羽毛の品質を最大限に生かす側生地です」

■羽毛布団の選び方は生活スタイルから。敷くものも同時に見直して

エンベロープ「実際に羽毛布団の選び方について聞きたいんですけど、その前に敷き寝具やパジャマを見直すのも大切なんですよね」

武蔵さん「そうなんです、冷えが背中からきている場合もあります。なので、掛けるものだけでなく敷き寝具もチェックが必要です。ISHITAYAではウールのパッドを使った睡眠を基本と考えています」

▲睡眠の基本として薦めるウールのパッドは体圧分散性を高める

武蔵さん「ウールパッドの役割は、マットレスや敷き寝具への汚れ防止、しっかり体を支える体圧分散、湿度を調整し、蒸れることなくしっかり保温、適度な温度を維持することです。

寒さに関しては、人は就寝中に汗をかき、背中の汗は、マットレスや敷き寝具に溜まります。寒いお部屋ですと、その水分でマットレスが冷えていますので、その上に眠ると、おのずと背中が冷やされます。あたたかい羽毛布団を使っても、体半分が冷えるので、暖かく感じません。

また、フロアータイプの敷き寝具の場合、直接床に敷いているので、足元に溜まる冷気で床も布団も冷えます。そのため体温で布団が温まるまでに時間がかかり、なかなか寝付けないといったことも起こります」

エンベロープ「そういったケースもあるんですね」


武蔵さん「ウールベッドパッドを使えば、マットレスや敷き寝具からの冷えを遮断し、パッドの調湿機能によって、余分な湿気は吐き出されます。ISHITAYAのウールベッドパッドは肉厚ですので、身体の凹凸に添い、隙間をつくらず、背中をしっかり保温します。

ちなみに電気毛布などは過度に身体に熱を加え、快適な温度以上に保温してしまいます。身体が適温に調整しようと汗をかくので、良質な睡眠をとるために、おすすめしていません。

ウールのベッドパッドの調湿機能は夏の寝苦しさも解消してくれますし、一年中快適に眠るためには、最低限とりいれた方がいいものです」


エンベロープ「パッドをとり入れることで、羽毛布団がそのまま使えるかもしれないってことですね。パジャマはどんなものがおすすめですか」

武蔵さん「通気する天然素材のパジャマをおすすめします。冬だからフリースという方もいらっしゃるのですが、寝るときはなるべく通気し、湿気のこもらないパジャマがよいです。

前にあったのですが、ISHITAYAの羽毛布団を使っているのに、お客様が寒いとおっしゃるのです。そんなはずはないと、原因を探っていくと、寝ているときにかなり厚着をされていました。

ISHITAYAの羽毛布団をお使いの方は特に、薄めのパジャマをおすすめします。お布団をあたためるのは、自分の体温ですから、薄手の方が羽毛布団に瞬時に体温が伝わり、あたたかく眠れます」

エンベロープ「あたたかい羽毛布団を選んでもパジャマによって効果が発揮されないのは本末転倒ですね」


エンベロープ羽毛布団は冬用800g、合い掛け500g、肌掛け300gと3種類の中からどうやって選ぶのがいいんでしょう」

武蔵さん「基本的に体質や住宅環境から考えていきます。冬のあいだだけ寒い場合や、布団を重ねずに一枚で眠りたい場合は800gがいいと思います。できるだけ長いシーズン使いたい方や、高気密高断熱のお部屋で一定の温度を保っている場合には500gとケットの組み合わせが快適だと思います。

マンションなどは収納スペースもあまりなかったりしますので、押し入れにしまうことがないような生活が送れます。最近はそういったお客様も多いです」

ISHITAYAの羽毛布団に使われる羽毛の品質はスイスの厳しい国際基準によって管理。3サイズで上から肌掛け300g、合い掛け500g、冬用800g

エンベロープ「武蔵さんは冬場どんな寝具を使っているんでしょうか」

武蔵さん「500gの合い掛け布団+毛布+ウールパッド(700)を3枚敷いて眠っています。金沢は寒いので、厳しいときはさらにパッドの上に毛布を敷いて寝ています。

ISHITAYAの寝具を使うまでは、自宅の寝室から廊下に出ると、めっちゃ寒い!となって、早くストーブを点けないとって感じだったのですが、お布団を変えてから身体の芯があたたまっているから、そういう感じはしばらくないですね」

エンベロープ「眠りで芯からあたたまる体験……。新たな境地を知りました」

武蔵さん「睡眠で変に汗をかかないということは、適度な体温を維持している状態で、就寝から起床まで心地よい一定の温度を保っています。体温調節はエネルギーを使ってしまいますが、そういうことが起こらないので常にリラックスした状態で眠れます」


エンベロープ「起きたばかりなのに、既に疲れているときあります」

武蔵さん「蒸れる羽毛布団を使っていると、途中で暑いといって布団をガバッてめくっちゃいます。ですが、その時はすでに汗をかいてしまっているので急激に身体は冷えちゃうんです。それを眠っている間にくり返していることがあります。

また急激に身体が冷えるので、筋肉がこわばることによって首や足がつったりすることも。いいことないんです。

私の旦那はISHITAYAの寝具に変えてから、寝言を言わなくなったりイライラすることがなくなって穏やかになりました。眠るってことはホルモンバランスを整える効果もあるんだなって人が様変わりする姿を見て感じました。疲れがたまっているけどよく眠れないとか、イライラするとか、そういう人ほど寝具を見直すことをおすすめします」

■メンテナンスは5年が目安。リフォームでほぼ新品に

エンベロープ「最後に羽毛布団を買った後のことを聞きたいんですが、寿命はどれくらいですか」

武蔵さん「リフォームして長く使っていくイメージで、目安は5年くらいでしょうか。使い方や体質にもよりますが、3年という方もいます」

▲リフォーム時に羽毛を吹き込んでいる様子

エンベロープ「羽毛布団のあたたかさがなくなるというのは、どういう原理なのですか」

武蔵さん「人はどんな状況でも汗をかいています。汗には皮脂汚れがあり、こまめにカバーを変えていたとしても、布団の中まで浸透し、その汚れがダウンボールに付着します。ダウンボールがふっくら大きく膨らみ、空気の層をつくって、あたたかくなりますが、その膨らみ方に影響を与えます。

また、ふわっとした綿毛のようなダウンボールなので、布団の上に乗ったり、叩いたりすると、羽毛の枝が折れて、膨らまなくなります。そういったことが重なって、保温力が低下してしまいます」

▲写真左がリフォーム前の羽毛、右がリフォーム後。洗浄することで大きく膨らむ

エンベロープ「リフォームは具体的にどんなことをするのでしょうか」

武蔵さん「羽毛布団の中のダウンを取り出します。側生地も汚れているので割いて新しくします。

あとは取り出したダウンを洗浄して、使えなくなったものとそうでないものを分けます。だいたいISHITAYAの羽毛の場合は100gから300gくらい使えないものが出てきます。その分を新しいダウンを足すことで、新品同様のあたたかさに仕上がります。

ISHITAYAの羽毛はトップクオリティですので、リフォームする場合は必ず相談ください」

エンベロープ「そうやってくり返し使っていくんですね。武蔵さん、今日はありがとうございました」

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カテゴリ:エンベロープの寝具店

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