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2016.10.4
やきしめことはじめ
焼締めの器がいつもの食卓に加わると不思議とピリッと緊張感が出て引き締まります。おいしいものがどんどん出てくる秋の食卓にぜひ仲間入りさせてみてはいかがでしょうか。焼締めの魅力に最近目覚めたコホロスタッフがレポート!
:: やきしめことはじめ ::
「渋くてかっこいいけど、手持ちの器に合わせるには
重厚感がありすぎて・・・敷居が高い印象でした。
それが一転、焼締めに興味を持ち始めたのは、2014年の3人展で境知子さんが
ご自宅で使ってる器を見せてもらったのがきっかけです。
毎朝珈琲を淹れるのに使っているというピッチャーは、
焼締め特有のざらっとした表面がつるっと滑らかな質感になっていて・・・
使い込むとこんなに変わるんだー!と小さな感動でした。
その個展では入門編として飯椀をひとつ買いました。」
:: ビールがおいしくなる? ::
焼締めは釉薬をかけずに高温で1週間ほどかけじっくり芯まで焼いている丈夫な器です。
高温で焼かれることで土の中の成分が焼き物の表面に様々な表情を作り出し、
ひとつひとつが個性的。 よくビールがおいしくなると言われているのは、
釉薬のかかっていない肌の特性からきめの細かい泡がたち、
泡も長持ちするのでより一層おいしく感じるそうです。
泡はうま味を逃がさず、苦味を吸収する作用もあるとか。
:: お花が長持ち ::
「表面がガラス質でない焼締めの花器は夏の暑い時期でも水持ちがよくお花が長持ちするよ」と、
これも境さんから教えてもらいました。
色味も焼締めの深い色がどんなお花も引き立たせてくれます。
:: 使い込むほどにしっとり ::
表面に釉薬がかかっていないので、油ものなどはシミになりやすいと言われています。
気になる方は一晩浸水させて、使うたびにお水かお湯にくぐらせると
水が表面をコートしてくれるので シミや匂いもつきにくくなりますし、染み込み方もおだやかに。
食卓に出すとき、土の色がより鮮やかに見える効果も。
境さんは、油物も気にせず使えば全体的にいい艶がでてくるよと教えてくれました。
生活スタイルやどう付き合っていくかでお手入れの仕方も
人それぞれ変えてみてもいいと思います。
使い終わった後は、たわしで洗って(洗剤も大丈夫です)下さい。
最初はがさがさしていた表面が徐々につるつるになり、いい艶がでてきます。
▲小さめの亀の子たわしで洗っています
▲夜洗ったら、一晩乾かして翌朝しまいましょう。
::やきしめのある食卓 ::
焼締めの器がいつもの食卓に加わると不思議とピリッと緊張感が出て引き締まります。
秋の食卓にぜひ仲間入りさせてみてはいかがでしょうか。
▲磁器の器と合わせるのが好きなので、家ではよくこの組み合わせをします。
大好きな卵かけごはんで至福の朝ごはん。
たわんだ形が横から見るとかっこいい鉢にはドライカレーを。
大鉢は豪快に実家から送ってもらった葡萄を。
水気を吸ってくれるからついつい果物を盛りたくなります。
焼締めの深い茶色が映えるクリームスープ。冷めにくいのがうれしい。
取皿に便利な6寸サイズ。鮮やかな色の副菜が映えます。
焼き締めのぐい呑みで日本酒を飲んでいるとなんだか通になった気分。
飯椀から始まり、小皿にマグカップ、ピッチャー、大鉢と我が家に増え続けている焼締め。
使ってみると、とにかく丈夫!
たわしでがしがし洗えて、そしてそれが艶へと変化していく作業だと思うと
億劫な洗いものも、育てているような感覚でなんだかうれしいのです。
カテゴリ:コホロ