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24.02.09

ふと疲れを感じたときに、ちょっとだけ深淵に潜る。雷鳥社の辞典シリーズ

「エンベロープの本屋さん」でご紹介している、雷鳥社の辞典シリーズ。自立するほど分厚く、文庫本よりひとまわり大きいこのミニ辞典は、ポップな見た目からは想像できないほど私たちをディープな世界へ連れていってくれます。

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■読むというよりも、眺める。

疲れを感じたときに、どこか遠くへ行きたくなるときってありませんか。

どこまでも続く水平線を眺めたくなったり、土のにおいが感じられる森や山へ行きたくなったり……この雷鳥社の辞典シリーズはそんなリフレッシュしたい気分のときにもおすすめしたい本なんです。

題材に選ばれるのは、地球がもたらす自然や脳をリラックスさせてくれる甘いものなど。

テーマを深く読ませて伝えるというよりも、キーワードごとにヴィジュアル写真を眺めて捉えていく構成なので、どのページからでも読めるつくりになっています。

本を読むのは苦手という方も楽しめて引き込まれるシリーズです。さっそくですが、ラインナップをご紹介していきます。

■神秘的な夜の世界に浸る/『星の辞典』

思わず息をのむような、美しい星空の写真から始まる『星の辞典』。ページをめくると、まるで地球を旅してるような気分になり、忘れていたこの世の美しさを思い出させてくれます。

遠い昔、夜空を見上げることは、人々にとって歓びであっただけでなく、星や月を観察していくことで方角や暦を知ることができ、生活の利便性に直接つながっていくものでした。

この本ではそんな星の奥深さを、写真家であり編集者である柳谷一郎さんが星座・宇宙・月の3つの章に分けて紹介しています。

主要な星や惑星、月などは写真付きで解説されていて、重要度によってメリハリをつけて読みやすくなっているので学術書的な難しさはありません。

星は詳しくないけれど夜空にもっと親近感を抱いてみたいと思う時、どんなに未知の世界に私たちが住んでいるのかを教えてくれます。

■雲や雨の名前をどれくらい知っていますか?/『空の辞典』

「空は地球の息づかいであり、地球という生命体はさまざまな表情をみせてくれる。……あの日に見た美しい空の名前もきっとこの本の中にあるはず」と著者の小河俊哉さんは書き記します。

本書はこんなにも雲や雨の名前があることを知っているだろうか、と私たちにやさしく問いかけてくるような一冊です。雲、風、雨、雪、霧、光、色 の7つのテーマにわけて紹介されています。

日常で忘れかけそうになっていた空のこと。きっと、心の栄養となってくれそうな本です。

■手のひらサイズにつまった 広くて大きな海を旅する/『海の辞典』

『海の辞典』の著者は海中世界の虜になったというカメラマンの中村拓哉さん。この方が実際に潜って撮影した海の様子が、海にまつわる素敵な言葉とともに綴られています。

本に綴られているのは波や潮の名前だけでなく、海の色、音、風などの感覚的ことまでも網羅されています。その感覚的な言葉に触れていると、まるで傍に海が広がっているみたいな錯覚に陥ります。

海に憧れる気持ちで軽く手に取ってみても、きっと素敵な読書タイムになるでしょう。「海」に例えて伝えた小説家や科学者の言葉も思わず納得してしまいます。

■知れば知るほど愛おしい、身近な草花の魅力/『草の辞典』

辞書の博学的な要素にノスタルジックな世界観が合わさった『草の辞典』。だれもが見たことのある基本の草花が紹介されており、この本を片手に散歩に出かけたくなるような一冊です。

193種類の草花の説明に加えて、花の部位の名前(花の仕組み)や、暮らしにおける楽しみ方までピックアップされているので図鑑とハウツーが合わさったような内容です。

摘み菜の基本、正月七日の七草粥のつくり方にはじまり、野の花の入浴剤、ハコベ塩のハミガキ粉、足湯など……読むと自然と実践したくなるようなものばかり。

ページ全体に広がる繊細でやさしい雰囲気もきっと癒しを感じられます。

■お菓子の歴史ってこんなに熱いんですね/『菓の辞典』

『菓の辞典』は味わうだけでは知ることのできなかった、お菓子の背景を知ることのできる貴重な本です。

そのお菓子が生まれた年代や国のこと、誰のためにつくられたものなのか、その時代のお菓子のことなど……誕生秘話に触れることで、本書片手にそのお菓子が食べたくなってしまいます。

深みのある色味で古典的に描かれたイラストも、惹かれてしまう理由のひとつ。一つのお菓子について見開きで簡潔にまとめられているので、一日に一個ずつなんていう読み方もよさそうです。

お菓子にこんなに熱い歴史が詰まっていたなんて……。

■ぺらぺらとめくるだけで、色の違いが頭に入ります/『色の辞典』

67色の名前の由来や成り立ちが紹介されている『色の辞典』。

その色がどんな色なのかを、起源となるものや使われていそうなアイテムのイラストを添えて紹介されているので、カラーチャートを見るのとはまた異なる微妙な色の違いを感じ取ることができます。

小説に登場する色を調べたり、気の向いたときに開くだけでも色の違いがよく頭に入ってきます。

本の終盤には「固有名詞を冠した色の名前」というコラムがあり、“ルノワールピンク”や“ローラーサングレイ”などの画家たちの作品から想起される色や歴史上の人物の色名も出てきます。

ちょっと煮詰まったとき、ぱらぱらめくると発想を促すような役割も担ってくれそうです。

6冊の小さな辞典、いかがでしたでしょうか。

どれもビジュアルにカジュアルさがあり、辞典という深さがありながらも初心者向けに綴られています。気になるテーマがありましたら、この機会に読んでみませんか。

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カテゴリ:エンベロープ

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