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18.09.13

《二子玉川shed》羽生直記 個展/「灯りと道具と」

鍛造作家羽生直記さんの展示販売会を、二子玉川のshedで行います。昨年は鉄のフライパンなど調理器具をご紹介しましたが、今回は新たに照明が登場。小さな家具もまじえて「鉄のある暮らし」をご提案します。※こちらの展示会は終了しました。記事の内容は2018年9月現在のものになります

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■硬い鉄がつくる柔らかな灯

「つくったものを通して人とつながりたい」。
以前ものづくりについてお話を聞いた時、羽生さんはそう話していました。

使いやすかったということだけでなく、ここが使いづらかったという言葉も含めて、使った人の声がちゃんと返ってくること。その反応が嬉しくて、鉄の道具をつくっているのだそうです。

今回紹介する照明も、まず頭に浮かんだのは使う人のこと。どんなところで、どんな使われ方をするかが考えられています。

▲鉄のプレートの元で煌々と輝く「皿型シェードランプ」。部屋の大きさや好みの明るさに応えられるように、3サイズ用意されています

▲スタンドランプは、デスクやベッドサイドなど灯りを添えたい場所に。 静かな夜に本を読んだり、手紙を書いたり

▲灯りが点いていない時も美しい、壁面を彩る吊式ウォールランプ。羽生さんの自宅でも使われています

新しいものなのに、大切に使い込まれたものみたい。羽生さんのつくる照明は、どこか懐かしさを感じさせます。

「お年寄りに“よくこんな古いものを見つけてきたね”って言われたこともあるんですよ(笑)」と羽生さん。

硬い鉄がつくり出す柔らかな陰影は、味わい深いもの。家に帰って点けた時、ほっとした気持ちにさせてくれることでしょう。

■鉄をかたちにしては、つなげて

私たちが訪ねたとき、工房の作業台にはさまざまなかたちの鉄が並んでいました。照明づくりに使われる部品です。しかもすべて手づくりというから驚き。

「市販のもので使えるものがあれば、ぜひ使いたいんですけどね。ひたすらたたくフライパンと違って、照明は部品をつくって溶接してと工程が多いんです。1個つくるのに1日かかるかな、頑張れば2個つくれるかも」

▲たたいて穴をあけるもの、少しずつ加熱しながら曲げていくもの、プレス機でプレス加工するもの…一つ一つの部品を手でつくります

▲茶色がかった照明はさびによるもの、これがその材料となる板状の鉄です。加工だと使っていくうちにポロポロと落ちやすいので、羽生さんは屋外でさらして自然にさびさせています

▲傘の部分をたたいて成形しているところ。こんな風に当て金という鉄の道具の上に傘を置き、少しずつ移動させながらイメージしているかたちにしていきます。さらに端をカットして整え、ソケットを入れるための穴をあけます

■身近に鉄がある暮らし

前回の受注会をきっかけに、私たちエンベロープスタッフは鉄のフライパンを使い始めました。思っていたより扱いが難しくないし、そしていつも見ていたいから目に触れる場所が定位置に。自然に暮らしの一部になっていました。

そんな話を羽生さんにすると、それはよかったと笑顔に。「暮らしの中で隠れていることが多い鉄だけど、その質感をもっとみんなに感じてもらえたらと思っている」のだそうです。

shedでの展示会のテーマは「灯りと道具と」。

照明とスツールやラックなどの小家具、フライパンもお目見え。会期中は終日、ご本人が在廊しオーダーを承ります。鉄の美しさが感じられる道具の数々を、ぜひご覧ください。

▲昨年好評だった鉄の調理器具も登場します

羽生直記 個展/「灯りと道具と」(※こちらの展示会は終了しました)
shed(東急田園都市線・大井町線二子玉川駅より徒歩3分)
2018年9月21日(金)から9月24日(月・祝)
11:00-19:00(最終日は17:00まで)

関連記事:《つくり手ファイル》「ずっと使えるものをつくりたかった」/鍛造作家 羽生直記さん

カテゴリ:エンベロープ, shed

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