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24.05.18
《スタッフレポート》気負わず持ちたい。山ぶどうかごに合わせるコーディネート
みんなが憧れる山ぶどうかご。毎日使って育ててほしいけど、どうしても格式高く感じませんか。スタッフがいろいろなコーディネートに合わせてみました。気になるお手入れ方法もご紹介しています。
■みんなの憧れ、山ぶどうかご
かご展がはじまると、みなさまと同じようにスタッフの中でも、どのかごが好きかという話題で持ちきりになります。
そんななかでも毎年必ずでる声、それは山ぶどうかごについて。「いつかは欲しい!」と憧れの的になり、「やっぱり素敵だよね~」とたくさんのスタッフにうっとりと見つめられる山ぶどうなのです。
ところでそんなに注目されている山ぶどうかごですが、どのようにつくられているかご存じでしょうか。
山ぶどうはブドウ科の蔓性植物。主な産地は北海道、東北の北部で、冷涼地の山奥に入ると、周辺の木々に蔦を這わせて自生しています。
宮本工芸が採取しているのは直径4cmの蔦(蔦だけど枝・幹みたいなもの)で、水分をたっぷりと含む梅雨の時期に皮を採取します。長い蔦を採取するため、木の高いところから途中でぷつりと切れないように剥いでいるそう。
その後1~2週間は天日干しし、屋内で保管2~3か月乾燥させて編んでいきます。剥いだ皮は見た目以上にとても丈夫です。
山ぶどうの蔦は山に入ってもいつでも採取できるわけではなく、材料が手に入りくいとのこと。以前と比べて収穫量も職人の数も減っているため、希少価値が高まっています。
■使うことが一番のお手入れ。どこにでも連れて行って
山ぶどうかごはとても希少なもの。特別なシーンで使いたい!と思っていませんか?もちろんパーティなどのすこしあらたまった場に持っていけるのが山ぶどうかごいいところ。でも実は、山ぶどうかごは使うことが一番のお手入れと言われています。
おでかけにはもちろん、お散歩やちょっとそこまでの用事にも。いろいろなところに一緒に連れて行ってあげてくださいね。
いつでも使ってほしい山ぶどうかごを、6人のスタッフが様々なコーディネートに合わせてみました。
かっちりとした雰囲気のかごですが、カジュアルなカラーコーディネートにも合います。お互いが引き立て合い、上品で素敵にまとまります。
特別なおでかけにはシルクと合わせて。光沢のある生地は、山ぶどうを持つことでさらにワンランクアップの装いになります。スカーフを合わせて違う表情も楽しんでみて。
四つに畳まれた模様が石畳のようにぎっしりと並んだ「石タタミ編み」。編み部分と透けている部分のバランスがよく絶妙な抜け感があります。細かく編まれているので頑丈ですが、触った感じはやわらかめ。
品があり、飽きることのないクラシックなかごは通年持ちたくなるデザインです。
四角いシンプルな形で、男性にも持ってほしいかごです。ラフな格好にこそ山ぶどうかごを合わせると、その気品さが際立ちます。
続いては、爽やかにボーダーと合わせて。山ぶどうかごを持つことで、カジュアルなコーディネートに大人っぽさが加わります。
かごの編み方として伝統的な「あじろ編み」。あみ目のつまったシルエットは古風な雰囲気も。しなやかで弾力のあるさわり心地です。
コンパクトサイズですが、A5サイズの手帳に水筒、貴重品や日傘など、普段の持ち物はすんなりと入ります。夏の間、いつものバッグを山ぶどうかごに変えてみませんか。
《山ぶどうかご 9寸胴張 小松編 巻き手(LIBECOの内袋付き)》
表情豊かな小松編みの山ぶどうかごは、ブラックコーディネートに合わせると、シックで上品な雰囲気が際立ちます。重くなりがちな雰囲気をやわらかい印象にまとめてくれるのも心強い。
リゼッタらしいスカラップレースをあしらったブラウスとデニムのサロペットを合わせた可愛らしいコーディネートにも。どんな装いにも、きちんと合うのが山ぶどうかごのいいところです。
Vの字が横に流れ、目が詰まった緻密な模様の「小松編み」。あけびでよく見かける小松編みを山ぶどうで施した珍しいデザインです。
こちらはLIBECOのリネン生地をつけたエンベロープオリジナル仕様。内側には片側にポケットが二つあり、スマホやカードケース、はずしたアクセサリーなどをなくさないように保管できます。
貝のようにふっくらとした形のどっしりと構えるかごは、安定感がありしっかりとした質感のかごがお好みの方におすすめです。
■一生もののかごは、世代を越えて受け継いで
「育てるかご」ともいわれる山ぶどうは、時間が経つほどに色合いはこっくりと深く、手触りはしっとりなめらかになるのが特徴。
こちらはなんと40年ほど使用されたものだそう。
新品と比べてみてびっくり。これが同じ素材?と思うほど、表面はつやつやと濃い茶色〜黒色に変化し、一見すると使い込まれたレザーのような美しさです。場所によって艶のあがり方が違うので、一つのバッグの中に、濃淡が無数に生まれ、それが編み方を際立たせるとともに奥行きが出ています。
よく磨いてあげれば半年くらいでもかなり艶があがるそう。早く変化を感じたい場合は、よく撫でて、たわしかけしてあげましょう。
そんなに永く使えて、世代を越えて受け継いでいきたい山ぶどうかご。気になるのは、きちんときれいに使ってあげられるのか?というところ。
実は難しい手入れもいらず、自然の皮脂がよいので手で撫でるか、やわらかめの亀の子たわし(棕櫚のもの)でたまに磨くだけでOKです。宮本工芸では出荷前にも毛羽だった山ぶどうかごを亀の子たわしで磨いているそうです。
もし山ぶどうかご汚れてしまったら先述のように亀の子たわしでこするか、頻度が高くなければ水洗いもできます。
雨に濡れたり水洗いをしたら、陰干しするようにしてください。冬時季などかごを使わないときは、通気性のよいところで保管すれば完璧です。
また、少しの破損であれば補修ができる、というのも嬉しいところ。修理部分には新しい皮を使うため、色の差は出ますが、あまり差がないように磨いて返してくださるそう。
安心して永く大切にしてくださいね。
暮らしを編む、エンベロープのかご展
開催期間:2024年5月10日(金)~22日(水)10:00