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名曲の裏側


1970年頃にバンド・はっぴいえんどとして活動し、その後ソロで活躍したミュージシャンの大滝詠一のアルバム「A LONG VACATION」が先日40周年を迎えたようで、記念のCDやカセットなど、スペシャルエディションが発売されていました。

▲昔、手に入れたレコード「A LONG VACATION」

「大滝詠一は一発録りなんだよ」と、口癖の父の影響もあってたまに聴いていたので、春頃、音楽番組で大滝詠一を特集していたときは、前のめりに観ていました。

驚いたのが、名曲「君は天然色」について。

当時、大滝詠一は「次に出すアルバムは売れるものにしたいから、歌詞は松本にお願いしようと思ってね…」と、元はっぴいえんどで作詞家の松本隆に依頼。

しかし、発売に近づくと、松本隆の妹が病気に。看病しなくてはいけないため、大滝詠一に他の作詞家をさがすように言うと「俺のアルバムはいつでも出せるから」と、松本隆にこだわった一枚だったそう。

アルバムの一曲目が「君は天然色」。
清涼感溢れるメロディに恋人への未練を浮き彫りにしたうつくしい歌詞。失恋ソングだと、ずっと思って聴いていたのですが、亡くなられた松本隆の妹のことを、失恋に置き換えた歌だったことをその音楽番組で知りました。好き曲なので、その事実に驚愕。

「想い出はモノクローム 色を点けてくれ」と響く歌声は、一発録りという言葉も重なってこれまで以上に染み入ります。

こんなふうに何か勘違いしていることって、もっとあるんじゃないかと、勘違いの裏側の世界をこの曲を思い返しては考えてしまいます。