週末に夏時間が終わり、日本との時差が8時間になりました。
日照時間がどんどん短くなり、寒さが始まる今頃からアトリエの繁忙期になります。
まだ完成品はそう多くないものの、少しずつENYOらしい作品が仕上がってきました。
販売は来春になりますが一足早く刺繍の一部をご紹介します。
義理の祖母が気に入っていた葡萄のブローチを思い出しながら、モチーフにしました。
調べてみるとアンティークジュエリーの世界で
葡萄は「繁栄」や「富の象徴」といった意味があるそうです。
▲葡萄
きっとそういう願いを込めて家族の集まる席に付けてくれていたんだな、
と今頃になってわかりました。
それ以来、着ていただいた方に幸運が訪れるよう願い事をしながら
刺繍をするようになりました。
走るのに夢中でグラスを落としてしまう人、周りなんて気にせずマイペースに歩いて
ゴールを目指す人、どんな進み方をすれば人生の ”WINNER” になれるのでしょうね。
これはワンピースに刺繍したのですが、他にないちょっと面白い1枚になりました。
▲ギャルソンレース
こちらは刺繍ではないのですが、画家のパレットをイメージして
パッチワークを施したポケットをつくりました。
作業後に小さく残ったハギレの集まりが、
パレットで複雑に混ざる色みたいだなと思ったことがきっかけです。
ハギレもパレットの絵の具も、作者の世界感が無意識に残されていると思います。
▲パレットのポケット
この秋はルーアンの化学工場で爆発事故があったり、
日本では大型台風がたくさんの悲しい被害を出したり、
雨風を不安な気持ちで見る日々です。
油が混じった黒い雨でも、集中的に降りすぎる雨でもなく、
大地を潤す恵みの雨にするには何をすべきで止めるべきなのか、
刺繍をしながら考えていました。
▲雨