フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2021.2.09
雨が雪に変わる日もあり寒さ本番といったところですが、
陽は段々と長くなり春に近づいていくのを感じます。
これを書いている今、フランスは18 時が門限のcouvre-feu
(クーヴル フー:夜間外出禁止令)発令中です。
couvreが覆う、 feuが火の意味ですが、まだ電気がなかった時代に
蝋燭やランプの火に蓋をして消灯していたことから、
こういう言い方をするのだそう。
こんな風になってから新しく覚えた単語です。
さて、毎月お届けしているこの「 ENYOの アトリエだより」ですが、
今回でなんと100回目を迎えました。
最初の原稿は2012年にお送りしましたが、
始めの頃の文章を読み返してみると
今とは異なる視点がみられ、代わり映えしない生活を
送ってきたつもりでも変化があったようです。
現在のような状況下ですと特に、当たり前の毎日なんて
本当にないのだなと思います。
こうして長い間続けて来られたのもひとえに、
読んでくださる皆様のおかげです。
いつもお付き合いくださりありがとうございます。
感謝の気持ちとして、ささやかではありますが
抽選で1名の方にプレゼントをご用意しました。
手づくりが好きな日本の友人へお土産を選ぶように、
ルーアンの蚤の市で探したものです。
▲手編みのレースを2種、デットストックの赤いボタン、そして陶製の小さなお人形をセットにして
四角いレースはリネン生地の土台に繊細なドロンワークが施されています。
花器の下に敷いたり、パニエにかけるのもよさそうです。
お花の方はよく見ると2枚ともイニシャルが編み込んであり、
おそらく同じ作者によって編まれたのだと思われます。
▲ “BP”とイニシャルが
なんとなくこのまま一緒に日本へ渡った方がいいかなと思ったので、
2つとも入れました。
大きな赤いボタンはお洋服のアクセントになりそうです。
陶製のお人形は通常、公現祭に食べるお菓子ガレット・
デ・ロワに入っているもので、フェーブと言います。
切り分けられたガレットの中にフェーブが入っていた人には
幸運が1年間続くのだそうです。
古いフェーブがたくさん入った箱の中から、民族衣装の女の子を選びました。
▲顔をじっくり見て選びました
今後もリネンや服づくりについて、フランス生活で
見つけた小さな気づきとともに綴っていこうと思います。
引き続きお読みくださると嬉しいです。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/