フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2021.4.15
3月中旬からここルーアン市を含む感染状況が悪化している地域限定で、
そして4 月3日からはついにフランス全土における
3度目のロックダウンが発令されました。
すでに営業停止をしている外食産業や娯楽施設に加え、
学校も閉鎖されることになりました。
ただ、自宅から10km圏内であれば外出証明は不要で
比較的自由に過ごすことができるので、あまり緊迫した雰囲気はありません。
現在、1日あたりの新規感染者は4万人前後を行ったり来たり。
人口が日本のおよそ半分しかいないフランスでこの数字は……
蚤の市は開いていませんが、 今までどおり食材のマルシェは立っています。
ハーブのスタンドに立ち寄ると、 l’ail des ours がありました。
ライユ デ ウースと読みますが、フランス語で ailがニンニク oursは熊、
「熊のニンニク」という可愛らしい名前の付いた春の山菜です。
熊はこれが大好物で、冬眠から目覚めると大量に食べることから
そう呼ばれているそうです。日本の「行者ニンニク」と同じものです。
こちらでは生でサラダにしたり、オムレツに入れて食べます。
ソーセージやフロマージュに ” l’ail des ours入り”と書かれたものもよく見かけます。
旬が短く、フレッシュなものが店頭に並ぶのは稀なので、
ひとつ買ってみることにしました。
オリーブオイルと塩、ニンニクを加えてペースト状にし、
パスタソースやドレッシングに使います。
留学時代にお世話になったホストマザーが「フランス人に嫁ぐなら
きっと役に立つはずよ」と結婚に際し持たせてくれたのがこのフードプロセッサーです。
もう10年以上も使っています。
渡仏して最初にフランスの家庭料理を食べさせてくれたあの人の味を思い出しながら、
バジルやコリアンダーのハーブを旬のうちにペーストにし
冷凍保存するのが習慣になっています。
この春は異常気象とも言われていて、先週は季節外れの雪がちらちら。
農作物、特に葡萄への被害が深刻と報道されていました。
リネンの原料、フラックスは播種を終え芽が出始める頃です。
今週はお日様が出てきて気温も少し上がってきたかなと感じますが、
畑のことが気になります。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/