フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2021.6.28
ここ数日間 コロナウィルスの新規感染数は2千人前後と、
2か月前には4万人近くだったのに比べぐんと減りました。
夜間外出制限の解除、映画館や劇場の営業やレストラン店内での飲食可、
そしてマスクも人が集まる場所や公共の乗り物等では着用義務がありますが、
その他の場所では義務ではなくなりました。
この「その他」の状況が一体何を指すのかいまいちはっきりしないのと、
まだ感染の不安があるので我が家は変わらず外出時はマスクをしています。
一時期はコロナ以外のニュースが報道されず、事件事故はなくなったのかと
思わされる程でしたが、フランスのお家芸とも言われる鉄道会社のストライキが
バカンス中に行われることへの注意喚起があり、
この国は本当に日常が戻りつつあるんだなと感じました。
さて6月といえば待ちに待ったフラックスの開花シーズンです。
前回のお便りで赤ちゃんフラックスの写真を見ていただきましたが、
あれからグングン大きくなり、今は全長80cm程になりました。
そして楽しみにしていた満開の景色なのですが、去年に続き今年も
定点観察をしている畑では見逃してしまいました……なんてこった!
今年の春は例年に比べ気温が低く農作物の不作が懸念されていますが、
フラックスに関しては素人の私が見ても生長が遅いと感じました。
それでも6月上旬にあった初夏の陽気でグググーと巻き返すように大きくなり、
中旬以降はずっと雨模様、それでもポツポツ開花を確認しました。
6月20日にある程度の数が咲いたのを見られたのですが、
一面満開!という状態ではなく、あともう2.3日くらいで
真っ青な花畑になるかなと思っていたのです。
それなのに翌日から3日間注意報が出るほどの嵐に見舞われ、
ようやく晴れた24日に再び見に行ってみると茎の先端に
シードボールが付いていました。
シードボールとは種子を作るカプセルですが、
つまりそれは花が終わり実をつけたということを意味します……
諦めきれずに広大なノルマンディの大地を走り回り、
少し離れた町で開花前の畑を1つ探しだしました。
曇天の中一瞬晴れ間がのぞいた26日朝に再びそこへ行ってみると、
薄青の花畑がそよそよ揺れていました。
これは生産者に聞いたのではなく自分の観察記録からの考察ですが、
開花期に悪天候が続くと花開くタイミングに個体差が出て、
晴天続きだとワッと一斉に咲き畑の色がより青く見える傾向があるように思えます。
花弁の色も青紫の濃いめ薄めがありますが、種の種類によるのかな?
観察していると知りたいことが増えて止まりません。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/