フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2022.2.07
まだ分厚いコートが手放せない気温ですが、
暦の上ではもう春ですね。
街路樹の木の芽がちょっと膨らんでいるのを見つけ、
人間界は不安の多い年月でも変わらず季節は進むんだなぁと
立ち止まって思いを馳せました。
新年が始まってからひと月の間、フランスでは新規感染者数が
1日あたり40〜50万人という日が続き、
さすがにこんなに多いと親しい人が罹ったり、
同居する家族も何度か濃厚接触者に該当され検査を受けることがありました。
このような状況下ではいつ自分たちが感染しても
不思議じゃないと思う反面、陰性の結果を聞き気抜けして
グッタリしたりと、なんだか落ち着かない1月でした。
現在はそのピークを越えつつあるようですが、
こちらだけでなく日本のニュースを見てもまた心配になります。
いつも以上に健康第一で過ごしましょうね。
さて、アトリエでは納期が近いので製作も佳境です。
今日は新作をちらっとご覧いただこうと思います。
前回のコレクションから取り入れはじめた
スモッキング刺繍を、今回はより効果的に使って表現しています。
▲需要の高いワンピースを中心に準備しています
袖の肩先から途中までひだを折り、ギャザーが
袖口に向かってヒラヒラと広がるようにしました。
魚の尾びれに似ているので、
これを「フィッシュスリーブ」と名付けました。
涼しげなミントカラーには、波模様のステッチをして
バカンスの雰囲気に。
▲ ビーチで読書する女の子
こちらは同じく袖にスモッキングを施していますが、
肩の辺りと袖口にも少し入れました。
すると袖の真ん中だけが膨らんで、
横から見ると袖口が斜めになります。
甘すぎないパフスリーブができました。
スモッキングの特性を活かした
デザインになったと思います。
▲赤い刺繍糸でアンティークシャツのように
さあ、残り時間があまりないので、
ここで体調を崩しては大変です。
しっかり寝て食べて(それなりには)運動もして
心身共に元気に、もう少しの間頑張ります。
麗らかな頃を楽しみにお待ちいただけると幸いです。
▲走る犬。私もそんな気持ちです
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/