フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2022.4.05
おつかいものでショコラティエへ行くと、
店内いっぱいに動物たち!
「もうPâques パック (復活祭)かー!」と思い出しました。
▲大きいものだと両手で抱えるくらいのサイズ。春らしいリボンをかけてもらって、みんなとってもおしゃれ
季節を告げる花々が咲きようやく春らしくなったというのに、
昨今の情勢下ではあまり浮き浮きした気分になれませんでした。
でもやはり、こうして一斉に並んでいるのは華やかで嬉しくなりますね。
フランス人にとってパックはノエルと同じくらい大切な家族の行事ですが、
大人たちが庭に隠した卵型のショコラを探す ”エッグハント” の遊びがあるので
子どもたちは特に楽しみにしています。
これらの動物や卵の形をしたショコラは空洞になっており、
パリンと割ると中にも別のショコラが詰まっています。
ショコラティエたちにとってこのパックが1年で1番の繁盛期、腕の見せ所。
ルーアンの街中に多くのお菓子屋さんがありますが、
この時期は各店に工夫を凝らしたショコラが売られていて眺めるのが楽しいです。
▲帰りに通りかかったこちらのお菓子屋さんは1832年の創業。ウィンドウを真剣に見ていたご夫婦が可愛らしかったです
▲空飛ぶ鐘。老舗のものはより伝統的なモチーフが多いようでした
そもそも復活祭とはなんでしょう?と渡仏したばかりの頃は
あまり馴染みがありませんでしたが、
その名前のとおり十字架に架けられたイエス・キリストが
3日後に復活したことを祝うお祭りです。
卵は新しい生命が誕生する象徴、子供をたくさん産むウサギは子孫繁栄を、
かたどられたモチーフはそれぞれに意味があります。
▲スーパーマーケットにも大勢のウサギ。2つめは半額になりますよ
他のモチーフについても調べてみると、キリストの死を悼んで
バチカンまで空を飛んでいった鐘がフランスへ戻る道中で
たくさんのショコラを集め、パックの日にお利口な子供が暮らす
お家の庭に空からばら撒く、という言い伝えがあることをを知りました。
小さな子どもたちには空飛ぶ鐘さんがショコラを配ってくれるのですね、
サンタさんのように。
▲精肉売り場にはどこかで見覚えあるあの子が
フランスの新年度は夏休み明けの9月ですが、
日本は4月が新生活をスタートさせる季節。
ENYOの新作販売も春からなので、パックのショコラが
店頭に並ぶ頃は毎回ソワソワしています。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/