フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2022.9.21
あの記録的な暑さは何だったの?と思うほど、
9月に入るとあっけなく夏が終わりました。
この頃はエテ アンディアン(英語でインディアンサマー)と呼ばれる、
日中は暖かく日が暮れると冷え込む小春日和でまだ比較的過ごしやすいです。
しかしながら、冬に向かってもう間もなく曇天と
雨の日々が始まることでしょう。
そんな貴重なお天気のある日、隣県にあるソンム湾へ
バードウォッチングをしに出かけました。
ソンム湾は渡り鳥の移動経路上にあたることから
自然保護区に指定されており、湾内にあるマルコンテール公園では
四季折々に生息する野鳥が見られます。
観察小屋の壁には覗き穴が開けられていて、ここから生態を覗きます。
ほの暗い小屋から見る鳥たちは本当に優美で、まるでこちらとあちらが
別世界かのように感じます。
▲真っ白くて艶々でした
すぐ側を白鳥が悠々と歩いてきた時には、思わずはっと息を呑みました。
観察小屋はエリア別に十数個ありそれぞれに生息する種類が違うので、
遊歩道を歩いて次の目的地へ。
道中、カサカサと音がするので注視していると、
草むらからコウライキジが現れました。
▲コウライキジには白い首輪があります
間近にいることが嬉しくて声が出そうになりましたが、
驚かせないよう私達の方が静止します。
後ろから来た人達も同じように立ち止まって、
皆で様子を見守りました。
キジはこちらを気にしているようでしたが、黄色いお目々を
キョロキョロさせながら地面をつつき、しばらくして
満足したのか帰っていきました。
調べてみると鮮やかな羽色はオスで、メスは全体的に茶色いぶち模様。
穀物や昆虫を餌にするため主に地上で生活するそうで、
だから草むらにいたのですね。
この日は様々な鳥を観察しましたが、
コウライキジとの出会いは特別な瞬間でした。
帰宅後、写真を見返しながら図案をかいて刺繍にしてみました。
▲特徴的なので図案にしやすかったです
実際に目にするまではキジを(ましてやコウライキジを)
モチーフにしようなどとは思いもしませんでしたが、
どこでアイデアが浮かぶかわからないものですね。
これはハンカチに仕立てようと思います。
▲地元のファームでつくられた苺ジャム。美味しいお土産も忘れません
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/