フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2023.1.16
新しい年を迎え早くも2週間ほどが経ちますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は春の納期に向け縫製業務に忙しくしています。
仕事納めも始めも特にないまま続けていたので、
新年をきっかけに何かささやかでも変化が欲しいなと考えました。
お洋服を作る際に出る端切れを使い、花や動物たちの
モチーフを刺繍したハンカチをつくっています。
ENYOを始めてから今日まで少しずつ新しい図案を
増やしてきました。
今年はこのアトリエだよりに毎回ひとつずつ、
各月の季節や記事の内容に合う刺繍が入った
ハンカチを掲載していこうと思います。
そういうわけで、まず最初は干支のウサギです。
耳をピンと立て、こちらを注視している様子を刺しました。
▲飛躍の年になりますように
年末に予定されていた家族行事に体調が優れず
参加できなかった人がいたため、
先週末に改めて一緒に昼食をとりました。
ルーアンから海のある方角へ畑中の一本道をずっと進みます。
道中、ヤドリギが沢山生えた屋敷林が見えました。
こちらではその1年の幸せを運んでくれる縁起物として、
お正月に飾る習慣があります。
▲分け方として、鳥の巣はお椀型、ヤドリギはポンポンのように丸く生えています
海辺の家では、義母がフィッシュマーケットの
新鮮な海産物を振る舞ってくれました。
オイルとバターで軽くソテーしたホタテの美味しかったこと!
付け合せはマーシュという冬が旬の葉物野菜を
ヴィネグレットソースで和えたもの。
生で食べられ栄養価も豊富なことから、
この時期に食べるサラダにはよく使われます。
▲日本語では「ノヂシャ」というそうです
デザートはパンデピスとスパイスクッキーをいただきました。
どちらも寒い季節に作るお菓子で、
夫たち兄妹は子供の頃から親しんできたそうです。
レシピを聞いて自分でもつくってみたことがあるのですが、
なかなか同じ味になりません。
しっかりスパイスが効いているのにどこか優しい味で、
かといって甘すぎるのでもなく、母の味とは不思議なものです。
▲パンデピスはオレンジ風味やドライフルーツ入りなどもありますが、義母のはプレーンなタイプ
ノエルにプレゼント交換ができなかったので、
私にも数週間遅れのサンタさんがやってきました。
中身は勿論嬉しかったのですが、包み紙があんまり
可愛くて大事にとってあります。
▲カマンベールチーズに林檎、モン・サン・ミッシェルとノルマンディを代表するシンボルたち
保管しておいても後に使うことはないのですが、
好みの印刷紙を見つけるとどうしても捨てられません。
こうした日常の小さなお気に入りが、私の創作意欲を
沸き立たせてくれるようにも感じています。
ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/