街の景色がすっかり衣替えをし、赤や黄色に木の葉が
色づく季節になりました。

これまでを思い返すと秋は本当に一瞬で過ぎ去るので、
冬の曇天が始まる前にこの太陽を楽しまなくちゃと思っています。

▲10月といえばハロウィン。フランスにその文化はありませんでしたが、近年は子どもたちを中心に浸透してきました

毎年この時期になるとルーアン市で開かれる
「La Fête du Ventre et de la Gastronomie normande」。

直訳すると「 お腹のお祭りとノルマンディのガストロノミー 」
になりますが、つまりはノルマンディの生産者が集まり
お腹や胃袋を満たしてくれる美食のお祭り(なんて魅力的!)です。

▲2日間のお祭りの予想来場者数は15万人。年々人気が高まって訪れる人が増えているように感じます

小規模でつくられている製品は地域の直売所でさえ
出会う機会がそう多くはないので、隠れた銘品探しに出掛けました。

勿論、大きなエコバックを持って。

こだわりの材料や作られた過程、どんな料理に使うか、
つくった人の声を直接聞きながら味見をするとなんだかより美味しく感じ、
あれもこれもとつい色々と買ってしまうのです。

フランス各地に美食の街と呼ばれる地域がありますが、ノルマンディの
素晴らしいところはカマンベールチーズをはじめとする乳製品だけでなく、
海もあるため新鮮な海産物が穫れることでしょう。

香ばしい匂いに誘われてまず列に並んだのは、魚屋さんのブースで
焼いているホタテのソテー。

プリプリのホタテをシブレットのソースとレモンを絞っていただきます。

このままでも充分美味しいけれど、できるならお醤油をたらりとしたい……、
こちらで魚貝を食べるときにいつも思うことです。

醤油は一般的なスーパーでも買えるようになりましたが、
フランス人はどんなふうに使うのでしょうね。

▲貝殻にサーヴされてきました

他にも食べたいので一皿でやめておきましたが、
あと3回はおかわりしたかったです。

▲チーズやパテの盛り合わせプレート。皆シードルや地ビールを片手につまんでいました

生乳をたっぷり使った生キャラメルは、いつも楽しみにしている生産者の一人です。

量り売りで好みのフレーバーを混ぜて買うことができます。

▲ミルクが濃厚で滑らかなキャラメル

全てのフレーバーを味見させてもらって、どれも美味しかったけれど
結局一番はベーシックなバニラ味。

秤には「Le caramel qui ne loche pas les dants」と書かれていまして、
「歯が無くならないキャラメル」と解釈できると思いますが、
歯にくっついて取れたりしないよ、という意味でしょう。

イラストの人みたいに歯がない人も美味しく食べられるよ!かな。

食以外に気になったのは、ロバミルクが配合された
石鹸やオイルのオーガニックコスメ。

自分たちの農場で飼育しているロバのお乳を使い、
原料やパッケージもできる限り地元産のものを採用しているそうです。

ロバミルクは保湿効果が高く、肌がモチモチになるのだとか。

確かにマダムのお肌は綺麗で説得力がありました。

▲ロバミルクの方は民族衣装を着ていました。製品も良さそうでしたが、衣装がどんなパーツになっているか興味が湧きました

今日たくさんのつくり手の方々とお話していて感じたのは、
食べ物でもそうではない物でも、環境に配慮した製品のニーズが高いことです。

オーガニックかを確認しているお客さんも多くいました。

お腹もバックの肩紐もはち切れんばかりに充実したお祭りでした。

ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/