毎年同じことを口にしてしまいますが、
あっという間に年の瀬を感じる頃になりました。

この冬はなんだか寒さがひとしお身にしみます。
ノルマンディはあまり雪のない地域ですが、
先週はみぞれ雪が降りました。

▲街に向かうバスの中から見えたヤドリギ

もうすぐノエルの季節です。

フランス人が最も大切にしている行事ですので、
この時期に限っては寒さもなんのその、
街中華やいでとても賑やかです。

私も贈り物を探しに街に出ました。

エンベロープのサイトにも誰かに贈りたくなるような
素敵な商品がたくさん紹介されていますね。

今月のお便りは12月の街の様子と共に、私が感じた
プレゼントに関する文化や価値観の違いを
お伝えしたいと思います。

▲冬の風物詩が今年も街に帰ってきました

何度目かのノエルを一緒に過ごすうち、ここ数年で
我が家のギフト事情がだいぶ固まってきました。

フランスのノエルは子供たちに対してだけでなく、
家族内の大人同士もプレゼントを贈り合う習慣があります。

楽しい反面、相手によっては何が喜ばれるかわからず
悩みの種にもなっていました。

多くの親戚に会うため、人数分の贈り物を用意するのは
経済的にも大変です。

正直、はじめの頃は失敗もあったかと思いますが、
最近はごく近しい家族にだけ贈り、こちらの準備がないのに
いただいてしまった際は、その方のお誕生日や旅行の
お土産等でお返しをすることにしています。

そして、プレゼントはお互いにリクエスト制です。

あのメーカーの何々、とはっきり指定が来ることもありますが、
だいたいは物名と色やサイズくらいの希望があり、
条件に合うものを探します。

このルールになってからはだいぶ気が楽になりました。

▲甘い香りに誘われて立ち寄った、ヴァン・ショー(ホットワイン)のスタンド。吊るされているのはパン・デピスというスパイスの効いたこの時期によく食べる焼き菓子
▲フレッシュなモミの葉の香りが好きですが、実だけでつくられたリースも素敵で迷ってしまう

プレゼントといえば、何年か前に義母がアクセサリー
をくれたのですが、その包みの中にレシートが入ったままに
なっていたことがありました。

咄嗟に見ちゃいけないと思い、伏せたまま「レシートが入ってたよ」
とお返しすると、「もしそれが気に入らなかったら、
期日内にそのお店に行って好きなのと交換しておいで」
と言うではありませんか。

私のために折角選んでくれたものを交換するだなんて!と驚きましたが、
こちらではごく普通のことだそうで、よく見るとそのレシートには
値段が書かれていませんでした。

「 自分がその人に何を贈ったかよりも、喜んでもらえて
長く使ってくれる方が重要でしょう? 」と説明を受け、
言われてみれば確かにその通りですが、日本人の感覚からすると
あっさりしているなと感じた一件でした。

▲サンタさんがいらっしゃいました。左手前にいる小熊の坊やが今か今かと順番を待ち構えています

今年を振り返ってみると、個人の諸々よりも世界で今起きていることに
考えさせられる年でした。

自分にとっての正しさが他の人にとって必ずしもそうとは限らず、
全員が同時に幸せになることはないのだろうかと頭の中をめぐっています。

ただ、例え信じるものがどこかの誰かと違うのだとしても、
大事な人の幸せを思う気持ちは同じはずです。

新しい1年が皆にとって嬉しい日々でありますようにと願わずにいられません。

▲仁王立ちサンタクロース。ちょっと若い感じになってしまいました

ENYO ソリアノ
http://laviedenyo.blogspot.com/