フランスルーアンの街で服づくりをするデザイナー、
ソリアノ綾佳さんからのお便りをご紹介します。
ルーアンは、パリから電車で1時間ほどの場所にある街。
この街でソリアノさんは自身の目で選んだリネンで服を仕立て、
年に一度リリース。エンベロープでもその作品をご紹介しています。
ソリアノさんについての紹介記事はこちらから »
2018.11.08
外の空気はひんやりと冷たく、コートの衿を立てて歩くようになりました。
今年も残り2ヶ月ないだなんて!季節が過ぎ行くのは早いものです。
ENYOがお洋服を販売するのは年に一度春がはじまる頃ですが、
その年の納品を終えるとすぐに次のコレクション準備に取り掛かります。
素材集めとデザイン出しから始め、仮縫いやパターン作成を夏の間に、
秋頃からは縫製作業をしています。
パーツによっては粗裁ち(パターンより大きく大まかに裁断すること)をしてから、
または洋服を縫い上げてからになりますが、刺繍も自分で行います。
袖を通してくれた人がクスっと笑ってくれるといいなと思い、
少しユーモアのあるモチーフを刺すことが多いです。
モチーフは日常生活で実際に見たものから図案を起こします。
最近つくったもので「ネコ」がありますが、まずは特徴を捉えて簡単なイラストを描き、
印象的な部分、この場合は目の強さをデフォルメしながら方眼用紙に図案を書きます。
イラストや写真をクロスステッチの図案にするアプリなどがあるそうですが、
うちではアナログに何度も消しゴムで消しては直しを繰り返し図案のバランスをとっています。
実際に布に刺してみると、布目によって顔が変わるのも面白いです。
鋭く描いたはずの目は、とぼけたネコになりましたね。
耳や目などの形を変えると他の動物にアレンジができます。
鳥や四足動物、植物などベースになるいくつかの図案をすでにつくったので、
それらをちょっとづつ変化させてレパートリーを増やしています。
いつか フラックスをモチーフにしたいと思っているのですが
まだ納得いくできになっておらず、完成に至っていません。
可憐で凛としたあの青い花を、ENYOらしく表現してみたいです。
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ENYO ソリアノ綾佳
http://laviedenyo.blogspot.fr/