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19.08.20
《リゼッタのアトリエを訪ねて》洋服の染め直し
リゼッタスタッフに聞いた、服づくりのことやおしゃれのことをお届けする「リゼッタのアトリエを訪ねて」。リゼッタでは服を長く着てもらいたいという想いから、洋服の染め直しを承っています。今回は愛知県一宮市の工場での染色の模様をご紹介します。
※この記事は、リゼッタのホームページに掲載の記事を加筆・再編集したものです。また写真は以前実施した濃紺での染め直しの様子です。
■信頼のおける染色工場
リゼッタが染め直しをお願いしているのは、愛知県一宮市にある工場。綿や麻など天然素材を中心に、繊維や生地、糸の染色を手がけています。
素材に合わせたその丁寧な仕事を信頼し、リゼッタでは製品染めもお願いしています。
染色の機械はこれ。リゼッタのスタッフは「釜」と呼んでいますが、正式名称は「バドル染色機」。その中ではパドルが回転し、かき混ぜながら染色します。
洗濯機同様、染色もドラム式の機械が主流となってきているなか、この工場ではパドル式の機械を自社で修理しながら使い続けています。
そのため、繊細で傷みやすい天然素材も負担の少ない染色ができます。
■たくさんの工程を丁寧に
服は一枚ずつ、釜に入れます。染料につけるのはまだ先の話。
まずはお湯で洗います。50~60度のお湯に5分程度通すことで、 染料がなじみやすく均一に染まるのだそうです。
湯通しを終えたら、染色を助ける薬剤を投入。これもムラなく綺麗に染液を浸透させるためです。
そして、ようやく染料を投入。染まりやすく、色抜けが少ない染料を使用します。
取材時は濃紺で染め直し中。指定していた色をつくるためにネイビーとスカーレットイエローの色を配合していました。染料は熱湯で溶かし、釜の中で2色を混ぜます。
温度を上げ2~3時間ほどかき回しながら、染料を吸着させていきます。適切な温度管理をし、適量な薬品と反応することで時間をかけて染料を吸着させます。
■入念な水洗い後、自然乾燥へ
染料が吸着したら、水洗いをします。余分な染料を落とすための水洗いを2回、洗剤を使った洗浄を1回、さらに水洗いを2回。水を入れ替えながら、水の色が透明になるまで洗います。
釜での工程後、洋服は1枚ずつ丁寧にすくい上げられます。
脱水後は乾燥機で乾かすのではなく、1枚ずつハンガーに吊るして自然乾燥。風通しのよい場所で2日間かけてしっかりと乾燥させます。
■染色工場から戻ってきた洋服
同じ色で染めても、元々の洋服の色により仕上がりの色は異なります。ネイビーもあれば、ほとんど黒みたいな色、逆に浅いネイビーもありました。
元の色がネイビー以外の洋服は、ミシン糸のステッチが染まりません。それがアクセントになっているものも!
シミや汚れが気になる、なんだか今の気分と合わなくて…と、クローゼットの中で眠っていた洋服にまた活躍の場ができたら。
リゼッタではそんな想いから常時、染め直しを承っております。ネイビーや黒以外に、元々の色に近づける染め直しが可能な場合もありますのでお気軽にご相談ください。
■染め直しプロジェクトを開催中
ただいまリゼッタの店舗とリゼッタオンラインショップで「LISETTEの染め直しプロジェクト」を開催中です(9月8日まで)。
このプロジェクトでは、リゼッタでお買い求めいただいた洋服を『黒』に“染め直し”します。黒をご希望の方は、ぜひこの機会をご利用ください。
カテゴリ:リゼッタ, リゼッタのアトリエを訪ねて
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