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23.10.06

《リゼッタのアトリエを訪ねて》PLATANE FRUIT

リゼッタスタッフに聞いた、服づくりのことやおしゃれのことをお届けする「リゼッタのアトリエを訪ねて」。今回は10月13日(金)よりご紹介する「プラタンヌ・フリュイ」シリーズのお話。デザイナーの平が綴ります。

■モノトーンの季節を彩るオーナメントのように

ふと街路樹を見上げると落葉した葉の隙間からぶらさがるたくさんの丸い実。

秋になるとパリのあちこちの通りにはこのプラタナスの実をみることがあります。

イガイガの丸い実はこれから寒くなるこの街の一足早いクリスマスのオーナメントのようにも思えて、この時期モノトーンになるパリの街なかになんともいえない愛嬌をふりまいているように見えます。

このプリント地は今までに集めた古いフランスの布から引っ張り出してきたものです。それにすこし手をくわえ、服に仕立てました。そんなプラタナスの実のような模様なので「Platane fruit」と名付けました。

私はこうしたフランスの農婦や庶民が着ていたような生地をみつけては、想像の羽を広げることが楽しみでもあり、それは幼少の頃から変わりません。

バルビゾン派の巨匠ミレーや映画にみる1900年代初頭の頃の風景を想像しながら質素でも人の手が描き染め抜いた布に愛おしさを感じずにはいられません。

平真実

カテゴリ:リゼッタ, リゼッタのアトリエを訪ねて

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