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17.10.17
《つくり手ファイル》クラシカルでありながらコンテンポラリー/立野千重さん
今回ご紹介するのは革靴、鞄デザイナーの立野千重さん。金沢でアトリエを構え、熟練の職人とともに、オリジナル木型を用い、上質な素材、伝統的手法、手作業でこそ表現できる造形靴と鞄を展開しています。※2017年10月の記事です。本文でご紹介した展示会は終了しました。
タイトル写真/高木亜麗
■ヨーロッパの古靴に魅せられて
立野さんの靴づくりの原点となっているのが、ヨーロッパの古い靴です。留学先のフランスで出合った古靴。その細かいところまで手の込んだ丁寧な仕事は、人の手ならではの美しさを見てとれると言います。
昔ながらの靴制作に魅せられた立野さんは、帰国後に浅草の手製靴工房で学びます。ここでの4年の間に、高度なハンドソーンウェルテッドの技法も習得。
履く人の足によくなじみ、修理をつづけながら履き続けられ、大量生産とは一線を画した靴づくりです。
金沢に自身の工房を構えたのちも、老舗ブランド出身の職人を訪ねてイギリスへ。どこまでも貪欲に学びます。
国内の卓越した技術とセンスを持つ職人さんとの出会いで、現在はデザインに専念。クラシカルでありながら今の装いにもフィットする新しい靴を生み出しています。
■職人とタッグを組んで、妥協のない靴づくり
立野さんがつくるのは、オリジナルの木型を使った、身につける人をより美しくよりエレガントにみせる靴。イタリアのクロムなめしのカーフや馬革、日本の植物タンニンなめしの牛革、鹿革などコンセプトに合わせて素材を選びます。
抱いているイメージを具象化し、信頼している職人さんの元へ。細かいところまで目を行き届かせ、こだわりの手製靴に仕上げます。
「細部に渡る作りから、職人さんの技術の高さ、センスの良さを感じていただけるかと存じます。腕の優れた職人さんの手製だからこそ成せるデザインをお楽しみいただきたいです」(立野さん)
■shedでの展示会では…
今回の展示会では、定番のコレクションに加え新作も登場します。
「靴はクラシカルのエッセンスがありながら、コンテンポラリーを感じていただけるかと思います。足を美しく魅せ、その人の魅力を助長することのできる靴を提供したく思っております。
鞄は縫い目を極力なくし、肌、洋服への当たりが良いため、傷つけません。手、身体に触れる鞄は日本の植物タンニンなめしの革を用いているので安心してお持ちいただけます」(立野さん)
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