イベント・ニュースや読みもの note
22.09.03
《いい眠りのヒント集》眠りは長さだけが重要じゃない。黄金の90分で"睡眠の質"が上がる
エンベロープの寝具店より、いい眠り近づくための知識やメソッドをお届けする新連載「いい眠りのヒント集」。この連載では暮らしのなかの睡眠を味方にする方法をご紹介していきます。第1回のテーマは、睡眠時間。
「明日は6時に起きなくちゃだから、今日はあと5時間しか眠れない」。あっという間に夜が過ぎて、そんなふうに感じたことはありませんか? 睡眠時間は長いほどいいと思いがちだけど、眠りの質は寝始めの90分の深さが大事なんです。
■眠りのメカニズムを知る
まずは睡眠の中身をおさらい。人間は活動しているとき、脳も身体も起きている状態ですが、寝付いたら、いちばんはじめに脳も身体も眠る深い眠り「ノンレム睡眠」がやってきます。
そのあと、脳は起きているけれど身体が眠っている状態の浅い眠り「レム睡眠」になり、これが明け方くらいまでに何度も繰り返されていきます。
「眠たい、眠い……」という欲求は睡眠圧が高まることからで、最初のノンレム睡眠でその睡眠圧が解放されていきます。明け方はレム睡眠の出現が長くなり、眠りが浅いタイミングで目覚めるのが自然な流れ。1回目のノンレム睡眠でもっとも深い眠りがやってくると言われています。
眠りが深まっていくとき、交感神経の活動が弱まり、副交感神経優位になります。これは脳も身体もリラックスしている状態で、自律神経が整うことでしっかりと休息をとることができます。
やらなくてはいけないことがありながらも眠気がおそってきたら、まず寝てしまうのがおすすめ。最初のノンレム睡眠以降にアラームをセットし、深く眠れていれば質は確保されます。
■寝始めに成長ホルモンが分泌。見た目にも影響
最初のノンレム睡眠の深い眠りは、美容の面でも重要。寝始めはグロースホルモン(成長ホルモン)がもっとも多く分泌し、細胞の新陳代謝を促して、皮膚や筋肉、骨などを成長させたり、日中の活動で傷ついた筋肉を修復させる働きがあります。
グロースホルモンの分泌は若々しい肌を保ち、アンチエイジング効果があると言われるもので、美容には欠かせないホルモンのひとつ。
しかし寝始めの眠りを阻害されると貴重なグロースホルモンが正常に分泌されず、さらに睡眠のリズムも崩れてしまうそう。
■世界でも睡眠時間が短い傾向の日本 6時間以上眠れていますか?
上記からもより深い眠りでリラックスし、代謝を上げてくれる寝始めの睡眠時間。またそれに加えて、睡眠時間もより自分に合ったものに見直せば、いい眠りに近づくことができます。
日本人の平均睡眠時間は6.5時間ですが、6時間未満の人が約40%もいるそう(*1)。平均もしくは6時間以上、眠れていますか?
ショートスリーパーは遺伝によるほんの一部なので、短くてもよいという誤った認識には注意。もし平日に寝不足を感じ、休日に寝だめしようかなと感じているのなら睡眠時間を見直す必要があるようです。
子育てや仕事などによって難しい場合は、就寝環境に「光や音など眠りを妨げるものはないか」「脳を使わず、リラックスした状態になっているか」を意識してみることをおすすめします。
巷でよく聞く”睡眠の質を上げる”というフレーズ。質とは何かの答えのひとつには、寝始めでいかに深い眠りを得られるかということがあるのです。
< 記事のまとめ >
・1回目のノンレム睡眠の深さ(脳も身体もリラックスしている状態)が睡眠の質を上げるカギ。眠気がおそってきたら、深く眠れるそのタイミングでの就寝もおすすめ
・寝始めはグロースホルモンが多く分泌して美容にも影響
・休日に寝だめしようかなと感じているのなら、睡眠時間の見直しが必要
・就寝時の環境に「光や音など眠りを妨げるものはないか」「脳を使わない状態になってるか」をチェック
- 引用文献/『スタンフォード式 最高の睡眠』西野精治 著(サンマーク出版)*1 *2
参考文献/『今度こそ「快眠」できる12の方法』監修 内山真(阪急コミュニケーションズ)、”大人になっても必要な成長ホルモン” ノボノルディスク https://www.nordicare-aghd.jp/about/growth/necessary.html(参照2022.08.17)、“ホルモンとは” ノボノルディスク https://www.nordicare-aghd.jp/about/hormone.html(参照2022.08.17)、渋谷セントラルクリニック “GH(グロース・ホルモン)スキンリバイブ 効果の秘密” https://www.doctors-gym.com/beauty/ghskinrevive/gh(参照2022.08.17)
カテゴリ:エンベロープの寝具店, いい眠りのヒント集