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20.07.31

《about linen》リネンでつくるvol.01/リネンの水通し

リネンバードがお届けする「about linen」。インテリアのリネン、そしてソーイングのリネン。よもやま話をあれこれをご紹介します。第5回目はリネンでつくるをテーマに、ソーイングのお話。縮みが生じるリネン素材は、あらかじめちょうどよいサイズになるように縮ませる必要があります。

■なぜ水通しをするのでしょう

裁断した後の縮みをなるべく少なく
天然繊維であるリネンは必ず縮みます。サイズがおおまかなものをつくる際はそのまま縫ってもかまいませんが、そうでない場合は、あらかじめある程度までは縮ませてから裁断することをおすすめします。

生地の地直し
織り機では直角に交わっていた縦糸と横糸も、さまざまな工程を経るとゆがみが生じます。そのまま縫製してしまうと、ひねりが加わるなどの不具合が起こります。 そこで、水通しをして癖をほどいてから、アイロンでなるたけ直交するように生地をならします。

お化粧を落として本来の風合いを取り戻す
生地を織る段階でスムーズに作業が進むように、機にかけられる糸には糊(のり)がついています。 そのため、織りあがった生地や縫製された製品には、お化粧の糊がついてピンとはったままです。 本来の風合いがいきるアイテムや、ナイトウェアに袖を通す前などには、水通しをして、糊を溶かしだしましょう。

■たっぷりの水につけましょう

洗濯機で行う場合
きっちりと折りたたんだまま洗濯機に入れたり、生地のボリュームに対して少ない水量で行うと、生地が充分に浸らなかったり、部分的にこすれたりすることがあります。すると、縮みむらが生じたりたたみ角で色落ちしてしまいます。

生地が泳ぐくらいのたっぷりの水に数時間つけおき、その後普通に洗濯して、軽めに脱水します。

▲(左)水が少ない、きっちり畳んだまま。(右)生地が泳ぐくらいたっぷりの水で

小さなものなら洗面器やボール、大きなものなら浴槽へ
ぬるま湯につけると、糊が溶け出しやすく、より効果的です。 お風呂の残り湯を利用してもよいでしょう。 ひと晩つけて次の日の朝、すすいで絞るか、洗濯機をまわしてから軽く脱水します。

■仕上げにアイロン

生乾きのうちにアイロンします
すすぎが終わったら、シワにならないよう軽めに脱水して、日陰で干します。 そして、効果が出やすいよう、生乾きのうちに地直しをします。

ゆがみが大きい場合は、縦方向や斜め方向に引っ張って整えます。 布目をよく見て、縦糸と横糸が平行になるように、アイロンをかけて整えていきます。

乾燥機をかけてみたら
水通しや洗濯をして、いざ干す段になると、おっくうになることもある大判のシーツやブランケット。じめじめした日、乾燥機にかけてしまった…。リネンバードのスタッフに意外と多い、リネン生地でも乾燥機にかけてしまう派。

乾燥機にかけると、びっくりするくらい縮んでしまい、数年先まで使い込んだあとのような風貌になります。新品のものでもくったりとしたリネンらしい柔らかさも味わえます。

つまりは繊維を傷めているということなのですが。(あくまでも裏技、おすすめはしません…)実際にリネン工場でも、生地をソフトにする仕上げ加工として、似た方法が行われています。


カテゴリ:リネンバード, about linen

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