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20.07.31

《工場見学14》再びLIBECOへ/ベルギー

2003年から2009年頃にかけてリネンバードのウェブサイトに掲載していた「工場見学」を改めてお届けします。最終回はリネンバードとも長いお付き合いになるベルギー、リベコ社を再び訪問しました。
※この記事は当時のまま掲載しているため、現在の状況とは異なる点があります。

■その地ならではのものづくりは今も変わらず

寒さ厳しい1月、リベコ・ラガエの工場があるベルギーのメルベケに行ってきました。

霧が多いフランダース地方の冬。工場を訪れたこの日もやはり、街はもやがかかり幻想的な雰囲気。 たちこめる霧のむこうに、平たいホワイトグレーの工場がたたずんでいました。

▲工場の近くには、鹿や馬が。私たちを迎えてくれました

約200人が働くリベコの工場。3交代制で、24時間フル稼動しているそうです。

まず案内してもらったのが、整経作業をする部屋。 イタリアなどで紡がれた糸を織物にするために、必要な長さの縦糸を必要な本数分準備していきます。

▲ 生地の幅に合わせ、整経用の機械に縦糸を並べます
▲生地幅が狭いサンプル反は、人の手で縦糸をセット
▲ストライプのものなどは、先染めの糸を順番に

整経された縦糸は、織り機がずらりと並ぶ部屋で製織。ちょうどローマやサルディニアなどを織っている様子を見ることができました。

糸切れなどがあった場合は、機械がストップ。トラブルを知らせるランプが点 灯すると、すぐさまスタッフが駆けつけて不具合があった箇所を発見、修正します。その手際の良さといったら!優秀な機械も、人の経験や勘にはかなわな い気がします。

▲(写真左)大きな部屋に約70台の織り機が設置。(右)整経した糸を織っていきます。糸の太さ、織りの甘さによって織る速度は違います

織り上がった生地は、人の手によって繕います。これはフラックスならではの手間だそうです。

握りバサミでネップをカットしたり、霧吹きをかけて汚れを取ったり、織りの際に混ざってしまった繊維を針でとったり…。

数人のスタッフが裏からライトをあてた生地を上から下に流しながら、問題がないか真剣に調べていました。

▲(写真左)細かい補整の作業は、人の手が頼り、(右)シェービングをする機械。とった毛羽は袋にたまるように

その後、生地のしわをのばして、鋭い刃で表面の毛羽をシェービングし、近くのフィニッシャーへ。染色などの最終加工を施します。戻ってきたものを再び補正して、あとは出荷の時を待つばかりです。

ベルギーで栽培したフラックスをその土地で布にする。 ヨーロッパにおいてリネン産業全般を集積する地域が減少する中、リベコ・ラガエのようにその地方ならではの顔をもった商品づくりをする会社は今や貴重なものになりました。

▲(左)オフィスの玄関に展示されていた1878年製の織機(右)長いテーブルに、テーブルクロスがぴしっとかけられた食堂

カテゴリ:リネンバード, 工場見学

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